林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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放香堂

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『KOBEの本棚』第86号(神戸市立中央図書館、二〇一七年七月二〇日)を恵投いただいた。その巻頭に載っているのがこの「放香堂」の記事である。

『豪商神兵湊の魁(ごうしょうしんぺいみなとのさきがけ)』より「放香堂」の店頭の様子/「宇治製銘茶」と「印度産珈琲」の看板が掲げられている》(図版キャプション)

「魁」というのは明治初期に各都市がこぞって(だと思う)発行していた商店案内の冊子(持ち歩きできる横長小型サイズが多い)。銅版印刷の細かい絵柄が特徴(新時代の感覚だろう)。「〜の魁」と題するのが通例で、それらをひとまとめに魁本(さきがけぼん)と呼ぶ。『豪商神兵湊の魁』は明治十五年発行。元町・栄町など雑居地(外国人と日本人が共に居住できる地域)の商店を紹介している。

神戸で最初にコーヒーを販売したのは、元町三丁目の茶商「放香堂」です。放香堂は明治七年(一八七四)開業で主に宇治茶の販売をおこなっていましたが、明治十一年(一八七八)よりコーヒーの販売も始めました。同年十二月二十六日付の読売新聞に、広告を出しています。そこには、「焦製[しょうせい]飲料コフィー 弊店にて御飲用或ハ粉にて御求共に御自由」と書かれており、コーヒーを飲用と粉で販売していたことがわかります。》(神戸とコーヒー)

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説明文の筆者(無記名)は明治二十一年開店の「可否茶館」より十年も前に、日本初の喫茶店が神戸に誕生していたということになります》と書いている。店頭で珈琲を飲めたからといって即「喫茶店」と決めつけるわけにはいかないと思うが、外国人向けというだけでなく日本人においても珈琲の需用が生まれていたと推定してもいいだろう(漢字だけの看板に注意)。郵便切手も売っていたようだ。

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by sumus2013 | 2017-09-06 20:36 | 喫茶店の時代 | Comments(0)
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