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暗黒街の群狼ジェームズ・バーナード・ハリス『暗黒街の群狼』挿絵=伊勢田邦彦(書肆盛林堂、二〇一七年八月二一日、表紙デザイン=小山力也)が届いた。ハリスについてはとにかくウィキを。 《J・B・ハリス(James Bernard Harris、日本名:平柳秀夫(ひらやなぎ ひでお)、1916年 - 2004年8月16日)は、日本の英語教育者、旺文社元役員。/作家・ラジオパーソナリティのロバート・ハリスは息子。/兵庫県出身で、新聞特派員だったウェールズ系イギリス人の父と、日本人の母との間に生まれた。》(ウィキ) 父を早く亡くしたため苦学したそうで第二次大戦にも日本兵として従軍した。戦後は旺文社の経営に関わる一方、『大学受験ラジオ講座」(1952-95)、「百万人の英語」(1958-92、ハイドンの交響曲101「時計」が番組テーマに使われている、そう言われれば覚えがあるような)の講師を永年務めた。その一方で昭和二十年代には多数の児童向け読み物を執筆していたのだ。それらは英語で書かれ、瀧口直太郎、窪川泰子、志賀政喜らが訳しているとのこと。 《橘外男の『双面の舞姫』の挿絵でも知られる伊勢田邦彦との渾身の合作『暗黒街の群狼』第一部をあますところなくみなさんに伝えるために、総天然色[カラー]で(といっても、ほとんど二色ですが)、完全紙面覆刻することにしました。 本作にかぎっていうと、伊勢田邦彦の絵物語作家としての技量は、永松健夫や小松崎茂、山川惣治の絵物語に勝るとも劣らないくらい渾身の力をもって、シビれっぱなしのイケてる超弩級娯楽作品に仕上げています。》(善渡彌宗衛「ジェームズ・B・ハリスは、日本男児」本書所収) 伊勢田邦彦については大貫伸樹さんのブログが詳しい。展覧会も開かれていたのだ。 【Pinterest】伊勢田邦彦の世界 挿絵画家・伊勢田邦彦のタイポグラフィー これが伊勢田邦彦の挿絵界デビュー作か? 挿絵画家・伊勢田邦貴宅訪問 伊勢田邦彦展&粋美挿画展 ご覧のように絵と文が紙面上で切結ぶというのか、絵物語の醍醐味を堪能できる内容である。とくに毎頁のように大胆なレイアウトを繰り広げる伊勢田のタッチに苦心がうかがえる。絵柄そのものも日本人離れしているというのか、戦前の探偵小説挿絵の余香を濃く残しながら、それらよりもダイナミックで、アプレゲール的なカッコ良さにあふれている。本文にさっくりとしたマット紙を使ったのも昭和二十年代の雰囲気をうまく出して成功しているように思う。
by sumus2013
| 2017-08-08 21:07
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