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林哲夫の文画な日々2
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シャロンヌ教会の古本市

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『モモイトリ』2017年春闌号(古書西荻モンガ堂、二〇一七年五月一日、表紙=保光敏将)。特集:極めてます! ちょっとだけ極めてます!。いい雑誌だなあ、と思いながら目次を見ていると「ジュテーム・パリ」という題名が目に飛び込んできた。筆者は藤川江良氏。これはまず読まなくちゃと思って開いてみたら、その見出しがまた「ジョルジュ・ブラッサンス公園の古本市」「トラム三番線」「サン・ブレーズ地区」とあまりにこちらの趣味にピッタリなので驚いた。

ブラッサンス公園は《一年滞在していたころはそれこそ毎週土日のどちらか(主に日曜。理由は後述)には行っていて、思いで深い出来事も多々ある》とか。《ちなみのお勧めの時間帯は日曜日の午下がり。古本市の店主は皆マイペースで、土曜日だと午後になっても品出しが完了していない、なんてことがざらになるので、品出しが完了している日曜日の方がじっくり品定めできる。》・・・まさにおっしゃる通り。

トラム三番線はブラッサンス公園へ行くためにいつも利用しているし、そしてサン・ブレーズのサンジェルマン・ド・シャロンヌ教会(L'église Saint-Germain de Charonne)、ここは小生も今回はじめて訪れた。この教会が主催する古本市が教会の向かいの建物で開かれていると知人が教えてくれたのである。この教会は20区、ペール・ラシェーズ墓地のさらに東にある。メトロのガンベッタ駅で下車し十分ほど歩いた。

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パリでは珍しい姿の教会である。佐伯祐三の絵「モランの寺」(サン・ジェルマン・シュル・モラン教会)に似ているし、サンジェルマン・デ・プレ教会(一番下の写真)にも少し似ている(サンジェルマン系の建築様式というのがあるのだろうか、よく知らないが)。一部の遺構は七世紀に遡るそうだ。五世紀にこの場所でまだ役人だったサン・ジェルマンと少女だったサン・ジュヌヴィエーヴ(パリの守護聖人)が出会ったという言い伝えがある。会堂の背後に墓地があり、現在ではパリ市内で墓地を持つ教会はここともうひとつ(サン・ピエール・ド・モンマルトル教会)だけだとか。


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「Bourse aux livres(本の共同センター)」、これは本を寄贈してもらい、それを売って教会運営費に充てるというようなことだろうと思う。定期的に開かれているようだ。建物の中の三部屋に本が並べられ、教会関係書・レコード・CD・DVD、子供の本、ミステリーを中心とした一般書というふうに分けられている。一般書の部屋でだいぶ粘ったが、さほどのものはなく、ただ吉村昭の『La jeune fille suppliciée sur une étagère(少女架刑)』(ACTES SUD, 2002)を見つけたので買っておいた(この本は新刊書店にもまだ並んでいる)。値段は書かれていない。担当のお兄さんが「え〜と」という感じで値付けをしてくれる。ペパーバックはすべて1ユーロらしい。ハードカバーでも2ユーロくらいではないかと思う。

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他に子供の本の部屋で一冊おもしろいものを見つけた。それは後日紹介する予定。まったく期待していなかったのだが、三冊買って4ユーロ。まずまずの収穫だった。シャロンヌあたりは観光都市パリとしてみれば、面白味のない庶民の生活圏だが、そのためかえって飾らない素顔のパリの一面を感じられるのも確かである。

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サンジェルマン・デ・プレ教会



by sumus2013 | 2017-07-05 21:25 | 巴里アンフェール | Comments(0)
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