林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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暮しの手帖社の書皮?

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京都・誠光社での花森トークも近づいて来た(5月5日)。本日は少しおさらいをしておこうと準備していた。今回で四度目(神戸・伊丹・目黒に続いて)ながら毎回内容は変ってくる。話をするたびに削るところや増やしたい項目が出てくるのだ。もちろん中心の興味は花森のデザインや装釘におけるルーツを探すということで変らない、が、どこに比重を置くか、それが徐々に変化していく。

目黒の聴衆は、みなさん濃〜い方ばかりだったので、反応を心配したのだが、どなたにも満足してもらえたようでひと安心した。それを自信に京都でも存分に語りたいと思っている。連休中でいろいろとお忙しいでしょうが、もうこれが最後の花森トークになるやもしれません、ぜひともご来場を。午後七時からです。

ということで、何か花森に関するブツはないかと考えながら、ふとPCの後ろの壁に目をやった。暮しの手帖社の書皮が留めてある。背が焼けている。おそらく誰かが暮しの手帖社の封筒を四六判の本にちょうど合うように切ってカバーにしたのだろうと思っていた。これをどうして持っているのか……忘れてしまった。何かの本に付いていたか、あるいはどなたかに頂戴したのだったか。

じっと見ていて、おや? と思った。「美しい暮しの手帖」と書いてある……これは、ひょっとして珍しいのか。『花森安治装釘集成』を開くと、237頁に「暮しの手帖社専用封筒 表・裏」として掲載されている。また世田谷の図録を開くと、160頁に《暮しの手帖社の封筒/2000年頃に使われていたもの。/デザイン:花森安治 1969年》と書かれている。どちらも図案のなかに書かれている文字は「暮しの手帖」である。「美しい」はない。

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『花森安治装釘集成』より


なんと! これは発見だ。この書皮がこうしてここに存在するのだから図録の説明文《デザイン:花森安治 1969年》は明らかにおかしいことになる。どうしてかというと『美しい暮しの手帖』という名前は一九五三年の第一世紀第二十一号までしか使われていないからである。まあ、百歩譲って封筒にデザインしたのが一九六九年だとしよう。しかし図案そのものは「美しい」時代に作られたことはまず間違いない。としたら、案外ほんとうに書皮だったのかも、あるいは包装紙だったとか?(封筒として用いるには紙が薄いような気がする)

目の前に半年以上貼ってあったのだが、まったく気付かなかった。何事も身近なものをよく観察することが大切だなあ。

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by sumus2013 | 2017-04-30 20:26 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by 唐澤平吉 at 2017-05-01 06:38 x
この書皮?は小生も初めて見ました。珍品です。よく入手されましたね。

1969年といえば、「暮しの手帖」が第2世紀に入った年で、本誌の判型がそれまでのB5からA4変型に大きくなりました。そのために用意した封筒で、小生が入社したとき、本社は銀座にありましたから、その所在地が記載されていました。封筒には本社所在地が必ず記載してあります。

ですから、所在地が記載されていないところを見ると、封筒ではないのでしょう。「美しい」が冠してありますから、1953年ころまで使われていたと思われますが、書皮であるとしても、どのような使われ方をしていたか、小生も知りたいところです。
Commented by sumus2013 at 2017-05-01 08:17
そうでした、1969年は大判になった年でしたね。これは図柄の大きさからして書皮ではなく、おそらく包装紙だったのではないかと思います。
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