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ぽかん06留守中に『ぽかん』6号(ぽかん編集室、二〇一七年四月一五日、コラージュ=林哲夫、レイアウト=西田優子)が届いていた。今号もやはり当方の予想もしなかったコラージュが使われており「なるほど、そうきたか!」とビックリ、感心させられた。 ぽかん05 ぽかん04 執筆は山田稔、中野もえぎ、外村彰、岩阪恵子、扉野良人、能邨陽子、澤村潤一郎、秋葉直哉、服部滋、内堀弘、真治彩(編集後記)。山田さんの少年期の回想も見事だし、澤村氏の武田豊とラリルレロ書店についての文章も引用したくなる内容なのだが、何と言っても今号の注目は服部氏がウェッジ文庫の顛末を語った「W文庫盛衰記」であろう。二〇〇七年十月創刊から二〇一〇年二月の休刊まで二年五ヶ月。詳しくは本誌を読んでいただくとして、創刊はリーマンショックの前だったにしてもよくこんな文庫が出せたなあというのが率直な感想である。以下は過去記事よりウェッジ文庫を紹介したリンクである。 岩本素白『東海道品川宿』 楠見朋彦『塚本邦雄の青春』 岩佐東一郎『書痴半代記』 内堀さんの連載「千代田区猿楽町1−2−4」は其の四となった。『彷書月刊』にからめて林達雄のパックインミュージック、三菱重工ビル爆破事件などが取り上げられている。終刊間際の借金問題についても内堀さんにはいまだに釈然としない思いがあるようだ。 実は内堀さん、コラージュ展に足を運んでくださった。そのとき『ぽかん』の話も出て今度書いた原稿があまりに暗いので編集長の真治さんに電話したそうだ。誰か他の人の原稿と差し替えて欲しいと。ピシャリと断られたと苦笑しておられた。真治さんと田村さんが、どこか、重なるそうである。そうそう、田村さんの息子さんが早稲田に入ったと聞いて驚いた。あの少年が……年取るはずだ。 2007年10月27日 土曜日(田村さんと息子さん) * 『ぽかん』に『海鳴り』29号(編集工房ノア、二〇一七年五月一日)が同封されていた。どうしてかな?と思ったら、真治さんが「暮らしのなかで」というエッセイを寄稿している。『ぽかん』とかまくらブックフェスタについて。 山田稔さんが京大時代の同人雑誌について書かれた「「季節」を出していたころ」をはじめとする常連の書き手にまじった彼女の文章は、重々しい空気のなかにすっと通った春風のように感じられた。涸沢さんの「御報告」によれば堂島ジュンク堂の編集工房ノア棚は今年二月で撤収されたそうだ。《このコーナー撤退は、ひとえに当方の事情による》とのことだが、やはり残念なり。
by sumus2013
| 2017-04-13 07:54
| 装幀=林哲夫
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