林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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あゝ無情

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ヴィクトル・ユーゴー『Les Misérables TOME1』(LIBRAIRIE GENERALE FRANÇAISE, 2009)、なんと982頁という厚さ。一年かかってしまったが、なんとか全頁をめくり終えた。読むには読んだが、単語をていねいに調べて理解したわけではないので、まあ、めくったという程度である。もちろん粗筋は子供のころからなじんでいるし、映画やドラマも見た記憶がある。原作も新潮文庫(佐藤朔訳、全五巻)を読了している。ただし三十年近く前なので改めて読み直すとほとんど断片的にしか覚えていなかったことが分った。水汲みのシーンだけはくっきりと記憶にあったのが不思議なくらい。

フランス語そのものはそう難しくはないが、とにかく饒舌文なのでむやみやたらに知らない単語が目の前を通り過ぎて行く。非常に念入りな(ようするに退屈な)描写もえんえんと続く。とくにナポレオンの戦い方などはやたらに詳しく叙述されている。そうでなければ、この四分の一くらいの分量でまとめられると思う。プロローグから神父の燭台を盗んで許されるまでがまた長い。神父の人格の説明というか前置きがこんなに長いとは邦訳で読んでいるはずなのに想像すらしていなかった。それでも読ませる。筆の力はさすが。

パリに隠れ住んでからもうまく山場をつくっている。ジャヴェールに追跡されるくだりもスリル満点。銃撃戦などがなくてもこんなに面白く書けるのだ。ジャン・ヴァルジャンが棺桶にもぐりこみヴォージラル墓地に埋葬され、マリウスがコゼットに出会うのがリュクサンブール公園ということで『Les Misérables』はパリの小説とも言える。で、千頁近く読んでやっとマリウスの前からコゼットとヴァルジャンが煙のように消えてしまうところまでたどりついた。まだまだ道のりは長い。とはいうものの第一巻のみ百円で入手したため、第二巻(TOME2)はまだ手に入れていないのである。さて、続きは読めるのだろうか。

フランス語で読んでいる間に子供向けの日本語版を二冊求めた。森田思軒『哀史』そして黒岩涙香の『噫無情』(『萬朝報』明治三十五〜三十六年連載、単行本は扶桑堂から三十九年に前後篇二冊刊)をはじめとして数多くの邦訳が出ているので蒐集アイテムとしてはかなり魅力のあるタイトルだろう。小生が求めたその一冊は

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ヴイクトル・ユーゴー『あゝ無情』(諸星洪 編、玉川出版部、一九四八年三月五日)。この本は一九七七年に『レ・ミゼラブル あゝ無情』(玉川こども図書館)として再刊されているようだ。ユーゴーの肖像口絵、他に「天使にかこまれるユーゴー」というカラー図版も巻頭に配されるなど時代を考えるとなかなかの豪華版。本文にも挿絵が随所にある(作者不明)。

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もう一冊はこちら

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ユーゴー原作・山田継雄著『新月少年世界文学 ジャン・ヴァルジャン物語』(新月社、一九四九年八月五日、装幀・挿絵=黒木実)。水汲みシーンが表紙になっている。山田継雄著とあるように翻案である

ついでにどんな訳本があるのか国会図書館で検索してみると、気になる著者名をいくつか見つけた。吉田絃二郎『ああ無情』(光洋社、一九五一年)だとか富沢有為男『あゝ無情』(少年少女新選世界名作選集、一九五八年)だとか伊藤佐喜雄『児童世界文学全集 あヽ無情』(偕成社、一九六〇年)である。プルーストの井上究一郎も『レ・ミゼラブル』(河出書房新社、グリーン版世界文学全集)を訳していた。フランス文学のドル箱(フラン箱?)だったようである。

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by sumus2013 | 2017-03-13 21:19 | 古書日録 | Comments(0)
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