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色紙について色紙の書き手は、青山光二、長篠康一郎(太宰治研究者)、山下肇(ドイツ文学者)、山岸外史、出隆(哲学者)、野長瀬正夫、大木実、真壁仁、坂村真民、船山馨、黒岩重吾、藤本義一、今西祐行。とくに肩書きを付けなかった人々は小説家か詩人である。むろん池内氏個人と関わりの深い作家や好みの書き手たちばかりなのだが、なかなかに渋いラインナップだ。 《最初に手にした色紙は、青山光二先生から頂いたものだった。昭和四十八年秋に青山先生とご縁が生じ、先生の住まわれる小田急線の和泉多摩川とは隣駅の登戸のアパートに住む私は、通勤の帰りに、また休日にたびたびお訪ねしたが、四十九年十二月、川越の外れに建売住宅を購入して転居した。そして、引っ越しのお祝いとして次のような色紙を贈っていただいた。 もっとも許す こと多きもの もっとも愛す[文言は図版より] 》 その後、青山が蔵書を処分するときに田村書店を紹介して二枚もらった。月の輪書林の目録『ぼくの青山光二』に協力して月の輪さんから色紙を二枚もらい、さらに表紙に使われた「宙ぶらりんが好きだ」を購入したという。 その他、それぞれに想い出が語られていて興味深い。古書店ばかりでなくヤフオクで買った色紙があるのもまたいい。掲載図版のなかでは出隆の色紙が欲しいなあ。 *** 中野美代子『三蔵法師』をボチボチ読んでいる。こんなくだりに出会ってなるほどと思ったりする。 《思い立つと、かれは仲間を募って朝廷に出国許可を求める請願書を提出した。答えは、「許さず」だった。 そのころ、唐朝のあるじは李世民すなわち太宗になっていた。かれは、父の李淵すなわち高祖が在位中に、皇太子であった兄の李建成と、その兄に荷担していた弟の李元吉を、いわゆる玄武門の変で殺し、父に退位をせまって第二代皇帝になったのである。隨を倒し唐を興した最大の功労者であったのに、太子に立てられなかったことを不満としてのクーデターであった。》 むろんこんなことは歴史上に洋の東西を問わずいくらでも転がっている話だとは思うが……。結局、玄奘三蔵は朝廷の許しを得ずに西域へ旅立つことになる。
by sumus2013
| 2017-02-21 20:45
| 雲遅空想美術館
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Comments(4)
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