林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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青山二郎像

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『中川一政生誕120年記念展「中川一政芸術の黎明」』図録(白山市立松任中川一政記念美術館、二〇一三年九月一四日)より「青山二郎像」。均一箱にて。中川一政かあ……と思いつつめくってみるとこの肖像画に目を射られた。こんな絵を描いていたんだ! 当時、青山は二十一歳、中川は二十九歳である。大正十一年五月の制作となっているが『純正美術』第二巻第三号(純正美術社、一九二二年三月)にこの絵はすでに掲載されていた。

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タイトルは「肖像」だった。ただし上の写真と比較してみれば分るように図版として掲載された後でかなり手を入れたようだ。顕著なのは髪型。洋服もかなり変えたか。

モデルになる約束をした直後の青山から中川に宛てた葉書も掲載されている。その文面を引き写しておく。大正十年十一月十日付。青山は句読点を使っていない。

《昨夜は失禮致しました 餘り僕が小供だつたので失望なされたでせう来月モデルになること非常に楽しみにして待つて居ります
今日流逸荘の帰り清泉堂に寄つてお話した筆未だあるか見ましたところ皆テンの筆は賣切れになつてゐて残念しました併し二度目に著いた方の荷の中に細いものでしたがテンがあつたので中で一番太いのが一本ありましたから取つて置きました文房堂に行つてみましたがそれより細いもの許りでした三越にいつて見る心算ですーーそんなわけで清泉堂へ無駄足なさらぬうち一寸申し上げて置きます
 また来月お目にかゝれるのを楽しみにしております いづれ》

後年の諧謔に満ちた青山節は微塵も感じさせない素直な文面にまず驚かされる。中川一政への傾倒というか尊敬の念も伝わってくる。またこの当時から青山は絵を描くことへの情熱を持っていたのだということもよく分る(中川のためかもしれないが貂の画筆を探して画材店の梯子をするというのはやはり同じ情熱を分かち合いたかったのであろう)。晩年の青山の油絵がどことなく草土社風なのはこういう青年時代を経ていたからなのであろう。肖像画にそのナイーフさがまっすぐに表れている。目がキラキラ輝いている。

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by sumus2013 | 2017-01-20 20:51 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)
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