林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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東京のおせち

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吉田健一『私の食物誌』(中央公論社、一九七三年四版)。最近頂戴したのだが、たしか中公文庫で読んだ覚えがある。読売新聞連載に加筆、さらに未発表の食物随筆を加えた内容。あらためてあちらこちらを拾い読みしてみるとほろ酔いの吉田節が聞こえるようである。本はかなり凝った造りだ。残念ながら装幀者が誰なのか明記されていない。

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時節柄、「東京のおせち」から少し引用してみる。東京のおせちしか知らないと前置きがあってこう続ける。

《又それだけでもなくて東京の澄し汁で餅と菜っ葉だけの雑煮が餅の味を生かすのに最も適している感じがするならばそれと食べるおせちも芋と人参と牛蒡[ごぼう]と蒟蒻[こんにやく]と焼き豆腐しか入れない東京のが一番合っていると今でも思っている。》

《それに入れても入れなくても構わないものは凡て省き、その代りに入れたものの味はどれも生かすことを心掛けてその総和であるとともにそれだけに止らない何か一つのものを作り出すということで、その例に挙げられるのが東京風のおせちである。》

どうもこじつけがましいけれど、まあ、それは生まれた土地の料理がいちばんだと思うのも人情であるから、よしとしよう。むろんそんなおせちを作るのは吉田その人ではない。

《やはり食いしんぼうが仕合せに暮す為には誰かその家に料理が出来るものが一人いることが必要のようである。》

そして結びはつぎのように落ち着く。

《兎に角、正月に他のものよりも早く起きて既に出来上ったこのおせちを肴に同じく大晦日の晩から屠蘇散の袋が浸してある酒を飲んでいる時の気分と言ったらない。それはほのぼのでも染みじみでもなくてただいいものなので、もし一年の計が元旦にあるならばこの気分で一年を過ごすことを願うのは人間である所以に適っている。その証拠にそうしているうちに又眠たくなり、それで寝るのもいい。》

正月は朝からおおっぴらに酒が呑める、それが何より……というわけなのだ。

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by sumus2013 | 2017-01-02 21:21 | 古書日録 | Comments(0)
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