林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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ゲルマントのほう1

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プルースト『失われた時を求めて5 第三篇「ゲルマントのほう I」』(高遠弘美訳、光文社古典新訳文庫、二〇一六年一二月二〇日)。巻数で言えばまだ三分の一を超えたところ(全十四巻!)。これまでは毎号読破してから紹介していたが、今回は早めに。

自宅から神戸のギャラリー島田まで電車と徒歩で一時間四十分ほどかかる。どの本を鞄に入れて行けばいいのか、いつもはあれこれ迷うのだが(単行本は重い、文庫本で適度な厚みでそれなりに面白いもの、車中で読んでいても不自然でないもの)、今回は出来したばかりの「ゲルマントのほう I」にすんなりと決まった。往復三時間、加えて画廊にいるときにも人の来ない時間帯もかなりある。相当に読めるはずだが、帰りはだいたい舟を漕いでいるので読書は無理、画廊でも落ち着いて読める時間はそう多くはない、結局、往きの電車での一時間ほどがもっとも集中できるのだった。

冒頭はパリにおける主人公一家の老女中フランソワーズの描写である。これがなかなかに観察の行き届いた巧妙な語り口、非凡な視点を持っている。近年放映された英国のTVドラマでは白眉といえる作品に「ダウントン・アビー」があるが、これがヨークシャーの宏壮な館に住む伯爵一族の第一次世界大戦前後を描いた内容で、召使いという職業にどういう序列があるのか、どういうシステムで成立っていたのか、ということが実によく分る。貴族階級が没落してゆく様子も具体的かつドラマチック(ドラマですから)に描かれている。「ダウントン・アビー」を見ていた目でこのあたりのフランソワーズ(彼女は名料理人なのだが「ダウントン・アビー」にも頑固な名コックの女性が登場する)や近隣の召使いたちについての描写を読むと何気ないプルーストの記述になるほどと頷けるものがあったりする。やはり奥深い小説である。

***

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「ジョルジュ・ブラッサンス公園にて」F4号

ひいきのブラッサンス公園の古本市で買った古めの(十七〜十九世紀)革装本など。今回の展示では古本の絵はこれだけです。


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by sumus2013 | 2016-12-13 20:38 | おすすめ本棚 | Comments(2)
Commented by romitak at 2016-12-16 13:55
林哲夫様
いつもご紹介ありがたく存じてをります。
ゲルマントに進むと、作品の風景が違ふやうに感じます。les premiers Proustを過ぎたといふことかもしれません。引き続きご愛読をお願ひいたしてをります。お風邪など召しませぬやうに。
Commented by sumus2013 at 2016-12-16 17:04
なるほどそういうことですね。これまで以上に微に入り細にわたる描写に舌を巻いております。筆がフル回転している感じです。また懇切な註釈、読書ガイド、年譜も毎度のことながらありがたく。高遠様にも、くれぐれも御自愛ください。
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