林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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三〇歳の賭け!

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『絆』第三巻第二号(きづな社、一九八三年一月二五日)という雑誌を某氏が送ってくれた。深謝。その理由はこの記事だ!

 脱サラ列伝 三〇歳の賭け!
 酒肆「トウトウベ」オーナー 安田有さん

安田さんとは『ARE』という雑誌をやっていたときに平居謙君が「奈良に面白い古本屋があるんですよ!」と教えてくれて知り合った。店主が詩人であり、かつて新宿ゴールデン街で飲み屋をやっていた、と。それはいい、ぜひインタビューを、ということで第五号(一九九六年五月)の古書店紀行に登場してもらったのである。

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『ARE』5号 古書店紀行「キトラ文庫」より


ということは二十年のおつきあい。安田さん、根っからの文学青年で、いつも何かしらの本格的な文学・思想雑誌を発行しておられた。読書会なども熱心にやっておられると聞いたが、誘われたものの参加せず。小生は『coto』に好き放題書かせてもらったことに深く感謝している。毎回ほぼ字数制限なしだった。


同人雑誌や個人雑誌に原稿を頼まれることがあっても、たとえば二千字以内で、とか、短いものを求められることが多い。これは編集する側からすれば当たり前なので批難するには当らない、とは思うものの、どの雑誌をみても、短いものをソツなく上手に書いたエッセイを集めたものばかりで、物足りないことはなはだしい。ところが安田さんの出していたのはごっつい論考がギッシリという全共闘世代ならでは(?)の雑誌だった。『coto』はさすがにもっと軽やかではあったが、それでもかなり長い駄文も許してくれた(というか何も言わずに載せてくれた)のは稀有というべきである。

『絆』の記事によれば、安田さんは二十二歳で上京してから、あらゆる職業を転々としたらしい。三十過ぎて独立を決意。ゴールデン街で酒場を開く、と言って友人たちを驚かせた。

渡辺英綱『新宿ゴールデン街』

この記事は開店五年目のころ。水商売が性に合っていたかどうかは知らない。しかし個人営業に向いていたことは間違いないだろう。

《店を締め、近くにある2DKの貸家に帰ると三時半。起きるのは十時頃。それから店を開けるまでの時間が自分の時間になる。このひとときが得られたのが、無上の喜びであるそうだ。好きな詩や小説を書いてすごす。もしかしたら、この時を持つために安田さんは、思い切った転身をはかったのではないだろうか……。
「純粋な文章を書きたい、ということは常々思っていたことですが、それが実現したということですね。店をやっていると、いろいろな層の人が来ますから、人間のナマナマしさが見えて、文を書くには役に立っているなと思います」》

安田有『スーパーヒーローの墓場』

『ARE』五号によれば、ここから更に七年、都合十二年間営業をつづけたそうだ。

最近では、五月のみやこめっせと下鴨納涼古本まつりでお会いするのが楽しみだった。ちょっと挨拶を交わす程度なのだが(ときには缶ビールをごちそうになったことも)、それでもお元気そうで何よりと思うだけでいいのである。ところが残念なことに今年の下鴨には出店しておられなかった。野外の即売会はかなりしんどいと前からおっしゃっておられたが……。さびしいことこの上なし。

『莢 キトラ文庫在庫目録』


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by sumus2013 | 2016-08-23 20:23 | 古書日録 | Comments(0)
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