林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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書物趣味

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『書物趣味』第一巻第二号(ブックドム社、一九三二年一〇月一〇日)。ブックドム社の住所は東京市本郷区駒込坂下町一四四、編集兼発行人は庄司淺水。庄司さんは一九〇三年生れだから二十九ということか。執筆者は川瀬一馬、木村荘八、反町茂雄、他。

一誠堂から独立したばかりの反町は「古本屋業の本質検討」と題して古本業界の経営形態を数字を使って分析している。当時、古本屋は儲かるというのが一般常識だったようだ。それに対して反論しているのである。細かいところは省いて数字だけ引用しておく。

《之れ等を全部積算した一年中の全国の古本屋の総取引高は大体三百五十万円から五百万円までであると推定して大過がない。》

《以上を合計すると出版屋は年取引高は五千四五百万円乃至六千三百万円であり、新本屋の総売上は六千五百万円乃至七千五百万円と云ふ事になるのである。
 かうして書籍取扱業の三種類たる出版業・新本小売業・古本業を比較して見ると古本屋は出版屋、新本屋の各十五分の一乃至二十分の一の売り上げしかあげ得ないと云ふ事がハツキリして来る。》

これは今から見れば、当時の古本業界が占める割合はかなり大きかったと言える数字かもしれない。反町の結論は、最低の程度で口を糊するなら古本屋は比較的簡単にできる商売だが、金儲けや立身を目指すなら他業種へ行け、ということになる。

《此処には、一種の鈍重とも見える堅実味、潰れる程損をする事などは殆ど絶対にない無双のねばり強さ、埃りだらけのくすんだ面白味、細い乍ら一筋の知識的な光を含んだ興味、味はへば味ふ程深く濃く且甘い古書の魅惑がある。それが古本屋のよいところの全部だから。》

何が人をして……の答えがここにあるのかも。


たしかこれにと思って某氏より頂戴していた(店から送られたではない、もちろん)『雄松堂書店稀覯書目録』No.383(二〇一五年)を引っぱり出してみると、やはりダヴス・プレスの本が掲載されていた。『欽定英訳聖書 The English Bible』全五巻、限定五百、一九〇三〜〇五年。


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《ダヴス・プレスは1900年に製本家コブデン=サンダーソン(T.J. Cobden Sanderson, 1840-1922)と彫版師・印刷者エマリ・ウォーカー(Emery Walker, 1852-1933)によって設立されました。彼らは、15世紀の印刷家ニコラ・ジェンソン(Nicholas Jenson)の活字の影響を受け、シンプルで美しい活字を作り上げました。(活字のデザインの重要な部分はウォーカーが担当していました。)

しかし、後に二人の関係が悪化すると、コブデン=サンダーソンは、他人が使用できないように、テムズ川に活字一式を投げ込んでしまったということです。(参考文献:アラン・G・トマス/小野悦子訳『美しい書物の話」晶文社、1997)この活字が2015年、テムズ川から発見され、話題となりました。》(解説より)

そうだった、今はなき松本八郎さんからこの活字を投げ込んだ話を聞いたような気がする。それにしても理想とは、かくももろく崩れ去るものなのか……

英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。

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by sumus2013 | 2016-06-20 21:17 | 古書日録 | Comments(0)
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