林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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グウルモンの思ひ出

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ルミ・ド・グウルモン『沙上の足跡』(堀口大學訳、第一書房、一九三〇年五月一五日)。第一書房の本は数えるほどしか所持しないためブログでもほとんど紹介したことはない(あ、船川未乾を特集した『PANTHÉON VI』がありました!)。本書は短い文章からなる随想集と言ってもいいだろう。タイトルの「沙上の足跡」は『ロビンソンクルーソー』から採られている。ロビンソンクルーソーが砂の上に足跡を見つけてギョッとするくだり。

しかし本文よりもギイヨオム・アポリネエルによる「グウルモンの思ひ出」がずっと面白いようだ(要するに古本屋が登場する!)。

《千八百九十九年のことだ、四月にプロヴアンスから初めて巴里へ出て来た私は、殆ど毎日のやうに、夕方の五時頃から、セエヌの河岸に軒を竝べてゐる古本屋の見世先へ掘出しものに出かけることにしてゐた。》

アポリネールは当時パリに誰も知り合いがいなかった。だから街頭で見かける紳士たちを有名な詩人や作家ではないかと夢想して勝手にあれは誰これは誰と命名していたという。

《毎夕、河岸に沿うて、私の後から来て、私を追越して行く一人の男があつた、この男は何時も私より後から古本見世のひやかしを始めるのだが、私よりも短い時間を各々の見世の前に立つのであつた。巖畳な体格をした中年の男だつた。彼は黒い外套を着てシルクハツトを被つてゐた、そして、 [ママ]の廻りには、白絹の襟巻がなげやりに巻いてあつた、紙や書物を小腋にかかへて、足早に歩いてゐた、一寸の間、一一の見世先に立ちとまつて、時々は一冊をとり上げ、頁を繰つて見た上で、またもとの場所へ丁寧に竝べ返してゐた。たまには又、彼が本屋の主人を呼んで代価を払つてゐるのを見たこともある……。

アポリネールはこの男をルミ・ド・グウルモンと名付けた。ところが実際その男はルミ・ド・グウルモンだったのである。その後アポリネールはグウルモンを訪ねるようになる。初めて訪ねたのは一九〇三年。自分の雑誌『Festin d'Esope』の原稿依頼に行った。原稿はもらえなかったが彼の住居を見る機会になった。

《それは書物と絵葉書と写真との奇態な雑物集積所なのである。》

本書もちょうどそのような雰囲気を漂わせている。


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by sumus2013 | 2016-04-30 21:22 | 古書日録 | Comments(0)
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