林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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けられとてちん

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こんな戯画を買った。「來山戯記」と落款がある。小西来山ということであったが、さてどうだろう。印はふたつ、「窓者?」「來山」。


  堂らち袮ハ
   可ゝれとて
      ちん
  三味線のわか
   はち飛九を
  なてすや
    ありけん 


酒席のナンセスを即興で描いたとも思われるからあまり文言を穿鑿しても意味はないのかもとは思ったが、念のため検索してみると、これには本歌があった。花山僧正遍昭の一首(後撰集1240)

 たらちめはかかれとてしもむばたまの我が黒髪をなでずやありけむ

 【通釈】母は、まさかこのようなことになると思って、幼い私の黒髪を撫でたのではなかったろう。(千人万首「遍昭」

来山は三味線が頭にコツンと当ったのをとらえて当即妙に遍昭の歌をパロッた。なかなかよくできている。これがもし小西来山(承応三1654〜享保元1716)なら伴嵩蹊『近世畸人伝』にも取り上げられている奇行の俳人。以下全文(岩波文庫、一九八七年版、旧漢字は改めた)。

来山は小西氏、十万堂といふ。俳諧師にて、浪華の南今宮村に幽栖す。為人曠達不拘、ひとへに酒を好む。ある夜酔いてあやしきさま にて道を行けるを、邏卒[めつけ]みとがめて捉へ獄にこめけれども、自名所をいはず。二三日を経て帰らざれば、門人等こゝかしこたづねもとめて、官も訴しにより、故なく出されたり。さて人々いかに苦しかりけむ、とどぶらへば、いな自炊の煩らひなくてのどかなりし、といへり。又あるとしの大つごもりに、門人よりあすの雑煮の具を調じて贈りたれば、此比は酒をのみ呑て食に乏し。是よきものなり、とて、やがて煮て喰て、

   我春は宵にしまふてのけにけり。

と口号たり。妻もなかりし旨は、女人形の記といふ文章にてしらる。其中、湯を呑ぬは心うけれど、さかしげにもの喰ぬはよしといひ、また舅は何処[いづこ]の土工ぞや。あら、うつゝなのいもせ物語や、と筆をとゞめて、

   折ことも高ねのはなやみた計

といへるもをかし。すべて文章は上手にて、数篇書きあつめたるを、昔ある人より得たるが、ほどなく貸うしなひて惜くおぼゆ。発句どもは人口に膾炙するが多き中、箏の絵賛を、禿[ちぎれ]筆してかけるを見しと人のかたれるに、その物を育んとて、其物を損ふ、と詞書して、

   竹の子を竹にせんとて竹の垣

といへるなど、行状にくらべておもへば、老荘者にして、俳諧に息する人にはあらざりけらし。さればこそ、其辞世も、

   来山はうまれた咎で死ぬる也それでうらみも何もかもなし

といへりとなん。

レアリストでありニヒリスト。《俳諧に息する人にはあらざりけらしと嵩蹊は評するが、それはどうなのだろう。俳諧にはこのタケノコ弁証法が欠かせないのではないだろうか。


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by sumus2013 | 2016-04-08 21:36 | 雲遅空想美術館 | Comments(3)
Commented at 2016-04-20 15:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sumus2013 at 2016-04-20 21:06
御教示に深謝。今後ともよろしくお願いします。
Commented at 2016-04-21 07:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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