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銅脈先生狂詩昨日の尚学堂さんではこのマクリを一枚買った。 十方諸仏腹脹日 一切衆生揉時気 七月十四日 □詩中句 [銅脈之章][太平館] 裏面に「銅脈先生」とある。畠中観斎の狂詩か。以前取り上げたことがある。讃岐生まれの詩人。京に住まいした。 銅脈先生『太平樂府』 浅学にして詩の意味はよく判らない。十方諸仏は『法華経』にあり、一切衆生は「一切衆生悉有仏性」(涅槃経)などと耳になじんだ言葉である。腹脹日は「はらふくるゝひ」でいいだろう。揉時気の揉にはいろいろな意味がある。「もむ」「やわらかくする」の他に「もつれる、みだれる」「曲げる」など。仏教批判でもあろうか……とヘタな考え休むに似たり。銅脈先生を調べておられる方より御教示をいただいた。 《調べたところ、銅脈先生の詩は、最後の狂詩集『太平遺響二編』に「七月十四日」として載っているものでした。送り仮名も付されているので、それに従って読むと、 十方ノ諸仏 腹ノ脹ルルノ日 一切ノ衆生 気ノ揉メル時 浅学ゆえ不確かながら、盂蘭盆会にでも関係していると想像されます。 なお同書には「餓鬼宴」という五言絶句も入っています。》 なるほど七月十四日という日付に注目しなければならなかったわけだ。仏たちがお供え物で腹がふくれる時に衆生は餓鬼道へ堕ちた亡き縁者のことを心配して気を揉むということになるのだろう。狂詩はこうでなくちゃいけません。
by sumus2013
| 2016-02-13 22:00
| うどん県あれこれ
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