林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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図案文字

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昨日紹介した床本のテキストは勘亭流(芝居文字)に似た書体で書かれていた。この字体は岡崎屋勘六が安永八年(一七七九)に考案したそうである(ウィキ)。初め看板や番付に用いられたが、狂言台本にも使われるようになった。上の二冊は昭和時代の手本。左が田中庸義・揮毫『看板意匠文字速成法手本勘亭之部』(東京新興教授会、一九三三年三月五日)、右は田中庸義・揮毫『看板意匠文字速成法手本ゴジツク之部』(東京新興教授会、一九三三年四月八日)。前者の「注意」によれば《勘亭流も書家に依つて、肉細に書く人、又は肉太に書く人、又は余り画を略し過ぎたりしたものがあつて判断に苦しむ》場合があるので《本会の手本は、夫等の欠点を除いて、解し易く、中間を執つて書いてあります》とのこと。

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デザイン書体のサンプル集『現代商業美術全集 第十五巻実用図案文字集』北原義雄編輯(アルス、一九三〇年四月一三日)にも勘亭流は取り上げられている。下、見開きがともに太と細の勘亭流文字。たしかにそれらのスタイルにはかなり差がある。

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ついでだから他の書体もいくつか紹介しておこう。

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右は襟字体、左が小路割腰字

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この見開きはともにヘルベルト・バイエル(Herbert Bayer, 1900-85、オーストリア生まれ、バウハウス教官、画家・デザイナー・写真家)のデザイン。

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こちらの見開きは小谷喜一の作品。小谷については不詳。

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小林忠孝。小林についても不詳。

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同じく小林忠孝。

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鹿島光夫。やはり不詳。

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奥付、挟み込まれている「現代商業美術全集付録 商業美術月報」第十八号。月報はペラ四頁にぎっしり詰まった内容である。佐藤蔦衞(商業美術家協会商工経営部員)の「広告断片」が面白い。三つの断片から二つ紹介しておく。

まず「印刷屋の不注意から売出計画の暴露」。ある小さな町に一軒しかない印刷屋に暮の売出広告の印刷を五軒の商店が頼んだ。足袋の売出。後から来た商店は前の店の広告を印刷屋で見て、自分のところの価格をそれより安くした。結局いちばん最後に頼んだ店がいちばん安い値段を付けたため一人勝ちすることになった、というのだ。印刷所の不注意を問題にしている。

もうひとつは「効を奏したチラシの撒布法」。チラシの撒き方で効果に大小があるという話。東京駅前丸ビル付近で中折帽子の特価売出のチラシが撒かれた。ところが広告主の店は新宿にあったのだ。一見、的外れは撒布み思えるが、じつはさにあらず。

《それと云ふのは、丸ビルを中心とする幾万のサラリーマンは中央線から山手線を利用する人が多い、従つて此多くの人々は必ず新宿駅を通るのである、此處でその洋品店の目のつけ所であつた。即ち広告によつて心を動かされる人は途中下車自由であるから立寄つて現品を見るのに一銭の損失もない訳であり、広告通りの品物であれば買つてもよし、気に入らなければ散歩してみてもよいと云ふ客の心理を見抜いてゐたのである。
 之は最も優れた広告の撒布方法である。》

こういう広告戦略を練る時代になっていた。だからこそこの現代商業美術全集も刊行されるチャンスがあったということだろう。


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by sumus2013 | 2015-12-12 17:59 | 古書日録 | Comments(0)
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