林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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おさなごのよろこび

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『Downwind -高山直之譯詩集-』(書肆盛林堂、二〇一五年一一月二五日)が届いた。
《本書は、かつて、雑誌『幻想文学』誌上で、美術評論や翻訳を積極的に発表、現在は音楽評論、外国人アーティストのインタビュー訳、CDの解説執筆で活躍中である、高山直之氏の文芸作品の初単独著作である。》《高山直之氏は、卒業論文がノヴァーリス、主宰する同人誌の名前が『FANTAST』であることからわかるように、ファンタジー寄りのアプローチから、ジャンルとして幻想文学に重きをおいている。》(「高山直之譯詩集『Downwind』に寄せて」小野塚力)

収録の二篇目にウィリアム・ブレークの「Infant Joy」が訳されていた。原詩がどうだったか探しているとブレークのアルシーヴが見つかった。


ここに『無垢の歌』(Songs of Innocence, 1789)の四種類の異版が掲げられていた。

Songs of Innocence, copy B, 1789 (Library of Congress)
Songs of Innocence, copy G, 1789 (Yale Center for British Art)
Songs of Innocence, copy L, 1789 (Bodleian Library)
Songs of Innocence, copy U, 1789 (The Houghton Library)

「Infant Joy」の頁だけ引用しておく。これは驚きのヴァリエーションだ。そしてヴァリエーションと言えば「Infant Joy」をどう和訳するかにもいろいろな答えがある。大きく分けて二種類。infant を形容詞とみるか、名詞と考えるか。クラシックな訳(寿岳文章ら)は手許にないのでネットで拾ったものだけ。

 生まれた喜び(壺齋散人)
 生まれたての歓び(ウィキ)
 をさないよろこび(土居光知)

 おさな子・よろこび(藤井わらび)
 『喜び』という名の幼子(瀧川宏樹)
 よろこびのジョイちゃん(うんこ太郎)

詩の全体から素直に解釈すれば後者が妥当なように思えるが、両方の意味を持たせたとも考えられる。

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高山直之による訳詩のなかで、う〜んと唸ったのは次のW.B.イエイツ「再臨 The Second Coming」。一九一九年に書かれ、その頃イエイツは共産主義の台頭を危懼していたという。それはそれとして、テロリズムに満ちた今日にぴったり当てはまる詩句ではないだろうか。

螺旋を広げ、回り続ける
鷹に鷹匠の声は届かない
事物は分断され、中心は固定せず
真の無秩序が世界に広がり
血で濁った潮が四方に流れ
無垢な儀礼は沈んでしまった
優れた人々が全き確信を欠いているのに
劣悪な者たちは激しい情熱に満ち溢れている

[中略]

獅子の体と人の頭を持った姿が
太陽のように空しく無慈悲に見つめ
その腿をゆっくりと動かしている
怒れる砂漠の鳥たちの影が旋回する間にも
闇がまた落ちていく だが今こそ私は知った
二千年の石のような眠りが
揺れる揺籃の悪夢に乱され
遂にその時が巡りくる
どのような野獣が生まれ出るというのか
身を屈め ベツレヘムに向かって





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by sumus2013 | 2015-11-26 17:49 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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