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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


本のなる木

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毎度のことながらポンピドゥー・センター詣で。入口に以前はなかった金属探知ゲートが設置され、係員がカバンの中を逐一調べる。目下は特に惹かれる展覧会もやっていなかったので(ウィルフレッド・ラム展など)フラマリオンの書店だけひと通り眺めて外へ出た。敷地内の隅にあるブランクーシのアトリエ(以前も紹介しました)を見ておこうと思ってそちらへ向かう階段を上がると、おや、なんと、樹木に本がなっている。

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これは何かポンピドゥーに関連のあるインスタレーションなのか、あるいは無名アーティストによる路上アートか、または単なるいたずらか…? いずれにしてもちょっと面白い。つぎつぎ本が実を結ぶ樹とは、ありがたいような、そうでもないような……


38番のバスでサンミッシェルまで。河岸の古本箱はほとんど開いていない。ジベール・ジョセフへ行こうと思っていたが、その手前にあるブーリニエ(BOULINIER)に入ってみることにする。新古本チェーンのモナリゼが潰れてその後を継ぐように頑張っているのがこのブーリニエのようだ。とにかく安い。いつも人だかりの絶えない表の均一は0.20ユーロから。これは格別の安さ。この近辺の他の古書店は(ジベールも含め)どんなに安くても0.50ユーロ。もちろん0.20ユーロでろくな本はないけれど、安いのだから何か取り柄があるかもしれない。

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一階の店内はレコードやCDもかなり揃っている。シングル盤が何百枚も入った展示台の前に張り付いている客が数人いた。地下へ螺旋階段を降りると、古書全般が手際良く並べられていて、ここにも熱心な客がじっくり本を選んでいる。白っぽい本が多いが、本当に古い本も少しは揃えている。ただその内容は期待できないレベル。セコハン中心と考えた方がいい。店内も値段は他店より格段に安い。

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まったく期待していなかったが、いきなりシュルレアリスム特集の古書目録を発見。1ユーロはうれしい。もう一冊、Salim Jay『Merci Roland Topor』(Fayard, 2014)も格安で。これもありがたい。この店からセーヌ河寄り、目と鼻の先に一軒小ぶりなブーリニエがあるので注意。

by sumus2013 | 2015-10-17 03:47 | 古書日録 | Comments(0)
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