林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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冠句鴨川千鳥

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鶴巣隣松蘿宗匠撰『冠句鴨川千鳥』(中村風祥堂、一九〇四年三月五日)。冠句というのは元禄時代に京都の俳諧師堀内雲鼓が考え出した新しい詩型。五七五、季語不要、切れ字不要、日常語を用いる、冠題として上五文字が出され下十二字を付けて完成させる。俳句よりも川柳に近い。幕末には廃れていたが、明治二十年代からふたたび流行し始めたそうだ。

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京之部から今日でも理解できる例を挙げてみると…

京に限る  自慢の屏風出す祭

 〃    碁盤のやふな町続き

京は京   御留守ながらもある離宮

 〃    寺や社にある美術
 
 〃    長家の媽[かか]も帯結ぶ

 〃    山さへ蒲団着て寝てる

 〃    山紫水明の美に誇る

京〓[濁点付き繰り返し記号=ぎやう]やナア  師走も茶会琴の会

 〃    口の奢りを身に飾る

 〃    草の餅にも蒔絵の重[ぢう]

京土産   法名何より御真筆

 〃    金襴の裂[き]れ嫁に遣る

京の人   村で噂の高い嫁


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撰者の鶴巣隣松蘿については不詳。中村浅吉は明治から大正にかけて真宗の勤行集や和讃、明細地図などを発行している。所在は上京区富小路通三条北福長町二十八番戸。巻末広告によれば冠句集としては他に長生庵百歳宗匠『冠句京の花』があり、同『冠句風月集』と『冠句明月集』は近刻。長生庵百歳も不詳の人物。他には馬琴『増補改正俳諧歳時記栞草』、阿心庵永機『新撰季寄俳諧独あるき』、芳井馬宥『冠付虫目鏡』(この書は文政二年に出た『笠付虫目鏡』を冠付にアレンジしたものか?)が上がっている

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旧蔵者の記名もある。

 キ兵十三
 聯隊付
 一等蹄鉄工長
 岡崎辰次郎

キ兵十三聯隊》については、明治三十四年に陸軍騎兵第一、第二旅団が創設され、船橋市三山(旧・津田沼町、習志野原)に第十三から十六騎兵聯隊が置かれたということだから、少なくともこの書、しばらくは千葉にあったようだ。京土産だったか、京の人か、それとも……

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by sumus2013 | 2015-09-24 20:27 | 古書日録 | Comments(0)
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