林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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心月輪

f0307792_20333752.jpg

心月輪(しんがちりん)の拓本を見つけた。良寛書と署名がある。オリジナル(下図)は新潟の分水町牧が花の解良(けら)家に伝わる有名な鍋蓋。このナベブタにまつわる逸話はいろいろあるようだが、いずれもにわかには信じ難い。だいたいがナベブタかどうかも分らないし。
f0307792_20334355.jpg
オリジナルは木目のはっきりした木に彫られているのに対して、上の拓本はくっきりと刷り取られているわりには木目が現れていない。左右に走る割れ目の痕跡も見えないし、オリジナルからの拓本でないようだ。オリジナルを模した石彫か何かから取ったものなのかもしれない。

心月輪というのは密教の修法だという。

密教の金剛界法の修法のとき,行者はみずからの肉団心 (心臓) を円明無垢の月輪であると観じること。清らかに輝く満月は浄菩提心のたとえであるから,観念のなかで満月の姿が完成したとき,自己の菩提心も清浄になり仏の悟りの本体と同一になる。》(コトバンク)

良寛は曹洞宗のはずだが、まあ自由人でもあったから密教に通じていても不思議ではないし、月というのは夜の闇が深かった時代の人々にとってはやはり特別な存在、象徴であったろう。

『良寛詩集』(岩波文庫、一九三九年版)に月の文字を探してみた。数多くあるが、心月輪にやや近いのはこちらか。モチーフは大智度論に出ているそうだ。


 因指見其身
 因身弁其指
 此月與此指
 非同復非異
 将欲誘初機
 仮説箇譬子
 如実識得了
 無月復無指


しかしながら良寛らしいのは晩年作と思われる次の作品。


 雨晴雲晴気復晴
 心清遍界物皆清
 捐身棄世為間者
 初月與花送餘生


雨も晴れ、雲も晴れ、気も晴れて、心も清くてすべての物が清い。自分は身を捨て世を捨て間(閑)者となって初めて月と花とに余生を送る。


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by sumus2013 | 2015-08-17 21:31 | 古書日録 | Comments(0)
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