林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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ミラボー橋

f0307792_19515107.jpg


読み古された『中原中也詩集』(創元選書、一九四七年八月二五日)を求めたところ、こんな原稿用紙が挟まっていた。四百字詰一枚。

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   ミラボー橋
          杉山平一

 アポリネールの「ミラボー橋」のいふなだらかな詩の、水はながれて橋はのこる》

『杉山平一全詩集』(編集工房ノア、一九九七年六月一日)収載の「ミラボー橋」は次のように始まっている。

《アポリネールの「ミラボー橋」の、水はながれて橋はのこるといふなだらかな詩を読むたびに、僕はなぜか、年頃の少女にむかへられて少女が成長すると捨てられてゆく少女挿絵画家のことを思ひ出す。

ヴァリアントというかボツ原稿である。しかし、それより面白いのは後半に鉛筆で走り書きされたメモ。
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 春夏冬二升五合
 百人一首
 手紙[?]には狸 ボンには鯉をのせ
 ながねんすんだ蛇があるさうじやが
 なんじやか、なんじやわからんじや
 二條の西道[ママ、洞]院西入人形屋の二階
 でニワトリはニワゐて西むいてにげをつた
 ウリ売りがウリ売にきて売りのこし売り
 売りかへるウリ売りの声
 月々に月見る月
 ゆめの世にゆめにゆめ見るゆめの人
 ゆめものがたりするもゆめなり

 ココカラハキモノヲヌギナサイ
 二ツニヲリテクビニカケルジユズ
 コノハシヲワタルベカラズ

 たしかにかした イカたべたかい
 みかかぬかゞみ たびのびた
 ダンスがすんだ


全集解題によれば『ミラボー橋』(審美社、一九五二年)は

《これは、やはり旧制松江高校の後輩に当る森川辰郎さんが、審美社という出版社を起し、倉本兵衛の『雪と夜桜』辻久一の『夜の芸術』などの刊行に続いて出してくれた。
 これも、画家に勝手な装幀をされるよりは、と、好きな黄色とグレーを使って、文字は紙をハサミで切って作るなど、自分でデザインした。》

ということだ。小説のようでもあり、また随筆とも思える短い文章によって構成されている。表題作「ミラボー橋」はアポリネールの詩のタイトルだが、直接の関係はなく、宝塚少女歌劇の想い出を斜めから切り取った佳作。

要するに、この読み古された『中原中也詩集』は杉山平一旧蔵書であろう。


杉山平一全詩集


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by sumus2013 | 2015-07-08 20:44 | 古書日録 | Comments(4)
Commented by やす at 2015-07-09 00:55 x
御自身で整理された本ならこのやうな紙片は普通まぎれないですね。蔵書を整理される前に、目録をつくらないでもせめて書棚の写真を、その配置とともにひと棚ひと棚、背文字が分かるくらい詳しく撮られておくことを、御遺族には申し上げたのですが、「三方を本で囲まれた2階の書斎」拝見してみたかったです。
Commented by 唐澤平吉 at 2015-07-09 08:35 x
長年の疑問が氷解しました。『ミラボー橋』は杉山さんの自著自装だったのですね。これまでの花森装釘説をくつがえす決定的な発見でしょう。林さんに大感謝です。
Commented by sumus2013 at 2015-07-09 08:39
蔵書の価値というのは余人には測りがたいものがありますね。傷んだ古い本だったので第一番に処分されてしまったのかも知れません。
Commented by sumus2013 at 2015-07-09 08:43
そう言えば、世田谷の花森展のときにこの本が展示されていたように記憶しております。誤解があったんですね!
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