林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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古書店紀行2 アスタルテ書房

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『ARE』第二号(AREPRESS、一九九五年二月一日、表紙=林哲夫)に「古書店紀行2」としてアスタルテ書房佐々木氏に登場してもらった。山本善行と二人で移転後の御幸町の店舗でいろいろお話をうかがった。……中古レコード店は同じフロアだったのか。

《山本 澁澤さんの文章にも残っていますね。あの三条の店のロビーが、ガラス張りになっててね、三条通りが見えて、という文章が確か。
林 私も開店当初、山本芳樹さんに教えていただいてお邪魔しました。
山本 あそこの店が初めてですか?
佐々木 そうです。
山本 あれだけのお店するときにはある程度個人で集められた本ゆうのがあったわけですか。
佐々木 ええ、ぼくがやっぱり中学生のころから古本屋行ってましたしね。当時だから文庫本とかそんなもんしか買えなかったけど、ほんと好きだったんですよ。で、十二年ぐらい前かな、まずあのスペースがありまして、友人が中古レコード屋をやるというのでそのスペースを分けて…。で、自分が今まで買っていた本と、後に妻となる人がいるんですが、その人がけっこう私と傾向が似た本を買っていたんですよ。三島由紀夫とか澁澤さんも、そのへんから、まずダブった本から店へ出して、だから開店したときは棚はスカスカでした。
林 澁澤さんとはどういうきっかけで?。
佐々木 その前にね、生田先生とお会いしてて、先生の関係で。けっこう澁澤さんは京都が好きだったから、年に二、三回は来られて、お酒も好きだったし。これ皆さん書いてらっしゃるけど、小柄なんですよね。一六〇ちょいぐらいなんかな…、今の奥さんと同じぐらいの身長で、本当にこう胸を張って腕を振り上げて、大きく見えるように歩いてらっしゃいましたね…。
林 NHKで特集があったのを見ると、声がすごいハスキーなんですね。
佐々木 ちょっと違うイメージ持つかもしれないけど、アレしかないっていう感じなんですね。》

《山本 生田耕作先生とは?。
佐々木 店をやる、もちろん前から。結局、店名のアスタルテっていうのも、僕はやはり日夏耿之介とか齋藤磯雄とかね、その辺の影響を受けて、難しい画数の多い読めないような店名を考えていたんですよ、それ一〇箇ぐらいね、ああだこうだと、薔薇十字社やないけど、薔薇ナントカ館とかね、いろいろ候補があったんですよ。で、生田先生がまだ神戸にお住まいのとき、地下鉄の駅で電車待ちしてるときに「今度店やるんですけどもなかなか決定的にいい名前が浮かばなくって」というような話をしていると、生田先生も実は昔、本屋をやりたかった、どうせやるなら古本屋。で、一つ考えていた名前がある。「それは何ですか?」「アスタルテ」…響きはなかなかいいし、あとでふっと残るような…、何回か呪文のように繰り返したら…「これいいですね、もらいました!」ってね。フフフ。漢字にしなくて良かった。もう書くの大変ですよ、ハハハハハ。》

《生田先生が亡くなったときにね、誰に電話していいものか迷ったんですよ。あんまり東京の人に言うのもなんだと思ったんです。だから金子國義さんと…。それと、澁澤さんのお葬式の時は僕一人で行くつもりにしていたんですよ、先生は「彼とは疎遠になってるから行かない」と前日までは言うておられたんですね。前日の晩、自宅に電話かかってきて「僕もフランス文学やってきて、昔からのフランス文学仲間はそんなに居ないし、佐々木さんやっぱりお葬式だけは行くから」と。で、先生と一緒に澁澤さんのお葬式に行った、てゆうことがあったんです。だから澁澤さんの奥さんには電話しました…。》

《山本 佐々木さんはご自宅の本棚にはどんなものを?。
佐々木 それは内緒にしといた方がいいんじゃないですか、ハハハハ。
山本 店の本とは全然違う?。
佐々木 全然違うことはないです。お世話になった生田先生、澁澤さんに関するものは全部あります。澁澤さんのサドだけでも凄い量ですし…。
山本 僕らがね、古本屋さんとお話させてもらって気になるのは、やっぱり本が好きな人が多いですわね、ただ、だから売るとゆうことと自分の所有とゆうことの境目てゆうか、バランスゆうか…、それでここにある本は自分の本とゆう感じがあるんですか。
佐々木 うーん、最初はありましたね。でも商売は商売、店に置いてる本全部自分の目に適ったってゆうわけではないです。ま、かなりそういうセンスみたいなものは気をつけてはいるんですけども。だけど今もこれからも、幸田露伴、尾崎紅葉なんか流行らないんじゃないですか。貫一お宮の世界なんか、日本じゃないてゆう感じでしょ。その点、鏡花ってゆうのは今ちょっと変なブームなんですよ。妖怪、怪奇、幻想の方から…。まあいいんだけど、僕は『婦系図』とか『日本橋』とかね、あっちの方のものが好きなんですよ。本当に今の日本に失われた、奇麗な日本語でね…、本じゃないんだけど、これ一見、背中が本ふうでしょ。『花柳章太郎名舞台選』。古本屋で買った、レコードなんです。シングル盤の大きさなんやけど三三回転、五枚セット。昭和四〇年に亡くなってんですよね。多分その年に出したと思うんです。これがまたいいんですよ。婦系図、滝の白糸、日本橋…。
山本 よく行かれる古本屋とかありますか。
佐々木 行きません。あまり行っても無駄ってゆう感じするので。ただ、たまにこうゆうもんが僕にとっては掘り出しですよ。きっとこれ、売れずにずっと古本屋にあって、これからも先もこういうもんは流行らないと思うんですよ。》

……このくらいで止めておこう。インタービュー当日の雰囲気は今もよく覚えている。三時間くらいじっくり三人で話し込んだ。山本氏の質問が今から思えば意味深長である。下の写真はその日に撮影したうちの二枚。

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by sumus2013 | 2015-06-20 20:43 | 古書日録 | Comments(4)
Commented by 神保町のオタ at 2015-06-23 17:12 x
今日からのアスタルテ書房の半額セール行ってきました。『ARE』2号も買ってきました。合掌。
Commented by sumus2013 at 2015-06-23 19:28
ありがとうございます! ARE2まだありましたか。
Commented by 神保町のオタ at 2015-06-23 20:44 x
調子に乗って、『奢ば都』二号、生田耕作署名入(8000円→4000円)も買ってしまいました(^_^;)
Commented by sumus2013 at 2015-06-24 08:43
いや、これは遅れをとりました。落ち穂拾いでなんとかしたいもの。ずっと残っていたあの本売れてしまったかなあ……
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