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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


明治塵劫記

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新名重内編輯『新撰普通明治塵劫記』(此村庄助、一八八〇年一二月)上下二冊。塵劫記(じんこうき)は江戸時代の数学書。本書は基礎知識+問題集になっている。

亀岳こと新名(にひな)重内は明治十年頃から三十三年頃までにかけて種々の数学書を著している和算家。詳細は分らないが、奥付には大分県藩士という肩書きがあり、住所は大阪府下西区北堀江上通三丁目十三番地。江戸後期から明治初期にわたって盛名をはせた長谷川数学道場の出身らしく同道場の『社友列名』明治十二年に豊後臼杵として名前が上がっている。また同じ十二年に北野天満宮の算額を三室戸治光、倉橋泰清らとともに奉納している。

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算額奉納仲間の公卿三室戸治光が序を執筆している。長谷川磻渓翁の同門とある。磻渓は長谷川弘であろう。三室戸は嘉永二年(一八四九)生まれ。あるいは新名もそう年は違わないかもしれない。


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もう一人序を寄せているのは上田重蔵。大阪の人らしい。詳細不明。


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かな序がよく読めないが、これは新名本人の筆である。本文は……頭が痛くなりそうなので、目次と凡例、そろばんの図のみにて省略。そろばん、苦手だったなあ。




by sumus2013 | 2015-06-08 21:28 | 古書日録 | Comments(0)
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