林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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正則英語一万便3

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いよいよ『正則英語壹萬便』本文を見て行くが、丁寧にチェックしていると一生かかりそうなので、面白いなと思った単語だけいくつか紹介するにとどめる。お許しを。国会図書館には所蔵されているが、デジタルコレクションにはまだ入っていないようだ。代わりに明治二十年刊の『正則英語壹萬便』(中村風祥堂)が閲覧できる。こちらもなかなかのものである。

上図のように本文一頁に最多二十八語が収められている。本文の寸法はタテが142ミリ、ヨコ95ミリ。文庫本とほぼ同じくらいのサイズである。単語篇は225頁。だからどんなに多くても収録は6300語である。実際はおそらく6000語程度であろう。「一万語」は看板に偽りありと言わざるを得ない。

挿絵を中心に見ていて、オヤッと思ったのはイネル 寝 シン Sleep スリープ》のベッド。これは長椅子ではないのか?

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ところがネドコ 寝床 シンシヨウ Bed ベッド》に付された挿絵も同じく長椅子のようにしか見えない。スリープのベッドよりはややベッドらしい感じは出しているが……。画家が何か勘違いしたのか、それとも?

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次に「パン」の図に目がとまった。「パン」はポルトガル語から来たらしい古い言葉だから、明治十九年にはもうすっかり日本語だったわけだ。それにしてもイギリス・パンなのだろうか、かなりボッテリとした形。他にも外来語があるかと思う。気付いたのはコウヒイ 珈琲 コヒー Coffee コッフ井ー》。

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《ウカウカ 虚々 キヨキヨ Inattentively インエッテンチウェリー》(注:「チ」には半濁音の○が付いている)の挿絵もなかなかのものだ。魚をくわえた犬のかたわらで男がボールを投げている。犬がボールに惹かれて「うかうか」と獲物を放り出して駆け出す、そういう意味かと思う。Seek にまたがっているのも妙なり。

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その他いくつか例を挙げる。引用文における濁点の有無は本書の表記通りと思って頂きたい。

 ヨウギン 洋銀 ダラ Dollar ドルラー

「洋銀」は外国銀貨のことだが、普通にはメキシコドルを指すらしい。「ダラ」と「ドルラー」の区別がなかなかオツだ。

 ベニサシユヒ 無名指 ムメイシ Ring finger リンク フィンガー

紅差し指というのは知らなかった。薬指のこと。比較的新しい呼び方のようだ。無名指は漢語。

 イタハル 労 ロウ/アハレム Love ローヴ

 イツクシム 愛 アイ Love ラヴ

 コヒ 恋 レン Love ラヴ

 イシズリ 石摺 セキシユ Lithograph ライトグラフ

 クチツケ 接吻 セツプン Kiss キッス

 バゝ 婆ゝ Grandmother グランドマザー

 サミセン 三弦 サンゲン Guitar ガイター

 コキユ 鼓弓 Violin ヴァィヲリン

 サカン 左官 Mason メーゾン

 キャハン 脚半 ケハン Leggins レッギンス

 アエナキサイゴ 敢無最後 Tragic fate ツラジック フェート

 アル 有 イウ To be ツービー

Love が三種類に使い分けられているのは刮目に価する。「左官」は Plasterer でしょう。「レギンス」とは「脚絆」だったのか! そして「To be」と言えばハムレットである。坪内逍遥苦心の訳は以下の通り。存ふるか、存へぬか? それが疑問ぢや……(『ハムレツト』早稲田大学出版部、一九二六年二十一版より、初版は明治四十二年)。

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ハムちゃんは横道ながら、とにかくもこの和英字典は飽きない読物である。相当な古書価が付いているのも頷ける。なおこれは某氏架蔵の一冊なのでご安心を(?)。借覧中なり。


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by sumus2013 | 2015-06-02 21:07 | 古書日録 | Comments(0)
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