林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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日本色名大鑑

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上村六郎+山崎勝弘『日本色名大鑑』(甲鳥書林、一九四三年四月二〇日)。去る二月初めに『学用色名辞典』(甲鳥書林、一九五一年)から緋色の説明を引用したが、本書でもやはり緋色にこだわって見てみよう。

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《往時の色名に対する色と云ふものは、その色相とか濃度とかが、厳密に一定してゐるものではない。従つて、例へば上代の緋と云ふ色について考へて見ても、この標本の色より稍赤味の多いものや、反対に稍黄味の多いものが、当然存在してゐた筈である。しかし、少なくとも従来誤り考へられてゐたやうな、紅緋のやうな緋や、赤蘇芳のやうな緋や、或は紫染のやうな緋などは存在し得ないこと確かである。私はかくの如き誤りを先づ正したいと考へてゐる。》(「序」上村六郎)

その緋色(真緋)の図版がこちら。窓のある黒い紙が各色刷りの前に挟まれているのが特徴。色というのは周囲の色によって変化する。黒いページをめくっただけで緋色の刷りは同じもの。これほど違う。目の錯覚である。

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《これは正色としての五色の中の朱又は赤であつて、古くは一般に「緋」と称されてゐたものであり、茜根と灰汁とで染めた、謂ふ所の「茜色」である。日本書紀には「真緋[まひ]」ともあるが、衣服令には「緋」と記し、延喜式には「浅緋」と記してゐる。》


赤色でもうひとつ「韓紅花 からくれなゐ」に注目した。言わずもがな、在原業平朝臣の一首「ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」で耳に馴染んでいる。安東次男『百人一首』(新潮文庫、一九七六年)によれば歌意は《チハヤブルといわれた神代の話にも聞いたことがない、龍田川が流水を唐紅(からくれない)のくくり染にするとは》で《からくれなゐーー「から(唐)」は、唐渡り・舶来を意味することばから起って、物の賞美の意味に転用される。》とのこと。

で、本書の説明はこうである。

韓紅花と云ふ名称が出来たのは平安であり、延喜式などが始である。臙脂染即ち紅染の濃い色を指してゐる。深紅(こきくれなゐ)と云ふのも同じ色である。万葉集には「紅の濃染(こぞめ)」とも歌はれてゐる。

韓紅花のことは、時として臙脂(ゑんじ)色又は紅色とも称される。なほ、茂美(もみ)と呼ばれてゐるものは、一般にこの種の紅染の絹のことである。

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紅の濃染とすれば、川のなかに落ち敷いた紅葉はかなり退色して濃くなっていたと考えていいのかもしれない。安東によれば「くくる」(括り染めにする)とは別に「くぐる(潜る)」とする古註があり、安東は《「水くぐる」では只歌であって、およそ業平らしくもない》と独断的に解釈している(ネットで検索しても今は「くくり染めにする」という解釈が通例らしい)。ただ潜るでも別段おかしくはない(他に用例ありと安東も指摘している)。

それはともかく「からくれなゐ」が明るい紅か濃い紅か、色ひとつで歌の風景はガラリと変ってくるのである。

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甲鳥書林の検印紙。印の代わりに中陰武田菱と
違い鷹の羽があしらってある。珍しいと思うが、二著者の家紋だろうか。


本日の日経新聞「文化往来」欄で『書影の森』が紹介されているという知らせがありました。有り難いことです。


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by sumus2013 | 2015-05-21 21:15 | 古書日録 | Comments(5)
Commented by yf at 2015-05-22 06:02 x
 小生の数少ない「見聞」ですが、東京の「サントリー美術館」の記念品(ミュージアムグッズ)に日本画用の「色鉛筆」が発売されています。
 又、「大日本インキ化学」から『日本の伝統色』という「色見本帳」が出ています。「印刷」色見本として添付出来るように「小片」になるようにミシンが入っています。
SUMUS様はご存じかも知れませんがお知らせ致します。
Commented by chara050505 at 2015-05-22 10:38
こんにちは。本文とは関係ないのですが、1枚目の写真の背景の書棚の左のほうにあるのはダイアン・アーバスですよね?
なぜこっちを向いているのか興味があります。
Commented by sumus2013 at 2015-05-22 11:41
yfさま 日本画用の色鉛筆というのは知りませんでした。どこが違うのでしょうね?
Commented by sumus2013 at 2015-05-22 11:43
chara050505さま これ大好きな写真集です。たまたま本棚の整理をしていて見つけたので久しぶりに並べてみました。1972年のMOMAでの回顧展図録です。
Commented by yf at 2015-05-24 11:37 x
 この日本画用の「色鉛筆」というのが、桐箱入りで
「畏れおおく」使えません。
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