林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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外国地理集成

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角田政治『外国地理集成』上巻(隆文館、一九一六年八月一八日十三版)、下巻(隆文館、一九一八年八月一五日十六版)。序にいわく

《外国地理集成成る、本書は大日本地理集成の姉妹篇なり。嚢に余は明治三十九年桜花爛漫の候を以て大日本地理集成を上梓し、同年夏季本書の稿を起せしが、これ聊か微衷の存する所ありしを以てなり。当時日露の大役漸く終を告げ、武威八紘に輝き、国光四方に揚り、東洋の蕞爾たる島国は忽然として世界第一等国の伍班に列するを得たり。然れども国民動もすれば戦勝の夢にのみ憧憬し、戦後の経営重且大を加へ、国民の努力一層を要する時なるを知らざるの観あり。》

《現今世界列強は、経済的に、政治的に、其国運の進展を計るに鋭意し、其形勢恰も是れ虎視眈々たるが如きものあり。されば世界的大国民たるものは、宜しく此の形勢を詳にし、列強の競争場裡に立つの用意なかるべからず。これ我国に於て、好個の地理書を要することを特に緊切なる所以なり。余が不肖を顧みず、本書の執筆を企てたるも亦此の意に外ならざるなり。》

《余公務多忙、唯ゝ夏季休暇に於て、或は阿蘇大火山の麓、俗塵なき戸下温泉に、或は筑紫海の浜風清き三角湾頭に、或は日南の客舎、金桁の旅寓に筆を染め、時に或は稿を懐にし、満韓の戦跡を尋ね、又は中清漫遊の途に上りし事あり、爾来春過ぎ秋来る四星霜、明治四十二年新緑蔭濃かなる候を以て稿漸く成る。

戸下、三角湾、日南、金桁はすべて熊本である。上巻の初版発行は明治四十四年五月十日(下巻は大正元年八月十五日)。明治維新から四十年余り、日露戦争の勝利を喜んでいるばかりでは駄目だ、日本人はもっと世界を知るべきだ、という執筆意図。上巻二円(本書十三版には訂正印あり、二円八十銭になっている)という定価にかかわらず、奥付を信じるなら、かなり版を重ねていることはまさに著者の意図に読者も共感したということだろう。

上巻は特にアジア州(アジアロシア、アジアトルコ、イラン、インド、インドシナ、マレー群島)とオセアニア州(オーストラリア、タスマニア、ニウジーランド、メラネシア、ミクロネシア、ポリネシア)から成る内容。それぞれの地域の説明をいろいろな資料からまとめてある。勘ぐって言えば、まるでこれから侵略できる地域を探しなさいと導かれているかのようだ。世界進出の野望も案外とこういう本から芽生える?

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巻頭に挿入されている上巻唯一のカラー口絵《ボルネオ島ダヤック族の風俗》。

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上巻奥付。角田(すみだ)政治(1870-1952)は熊本県益城町生まれ。苦学の末、熊本第一師範学校の地理教諭となったとか。地理教科書を始めとして著書多数あり。本書の広告頁から角田のものだけ複写してみると以下の通り。

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下巻奥付。本書の下巻はヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカを網羅しており、カラー口絵が二葉(ヨーロッパの山脈図とスペインの闘牛)。その分定価も三円八十銭。今日の金額に換算するのはおそらく一万倍弱のレートだろうから相当高額である。学校の図書室には必須の本だったのかもしれない。

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珍しく版元レッテルが貼付されている。



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by sumus2013 | 2015-05-17 21:34 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by 牛津 at 2015-05-18 00:47 x
図版は首狩り族といわれる種族ですが、なぜこの
種族を代表させたのでしょうか。想像はいろいろ
広がります。
Commented by sumus2013 at 2015-05-18 11:19
図版コメントもかなりシビアなものです。単なる猟奇という以上のしかしアントロポロジーや地理学とは別種の意図を感じさせます。
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