林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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草書法要

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『草書法要』(文会堂、弘文閣、文化十四年[1817]六月)上下二冊。草書の字典。左旁、右旁、上截、下截、全体の五部門に分けて草書体が6125収められている(らしい、数えてません)。編者は脇田赤峰。江戸の人。名は順、字は和卿。寛政から文化年間(1789〜1817)に働いた書家である。龍巌寺の芭蕉句碑(寛政五年 1793)を揮毫している。墓所は麻布の円林寺。

《無量山圓林寺(大谷派)今井町一〇
脇田赤峯墓、書家、名は順、字は和郷、通稱郷右衛門、掃素館或は橘梨園と號した。文化五年十二月十九日歿。一畫に十月十六日歿、年六十四と見える。(「麻布區史」より)》

開巻まずは三人の著名人の序が麗々しく印刷されている。一人目が皆川愿(淇園)、次が先日の『香泉遺稿』にも序を寄せていた山本北山、そして中井敬義。皆川愿の署名のところだけ掲げる。寛政八年(一七九六)付け。

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そしてさらに跋を君山小野鼎が執筆している。こちらは寛政十年。

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《小野君山
江戸中期の儒者。江戸生。名は明、字は子彜、通称は五郎。片山兼山に学ぶ。詩書を能くし、また篆刻に巧みであった。安永から文化年間に活躍、生没年未詳。》(コトバンク)

コトバンクは「生没年未詳」としているが本書には《寛政戌午春正月雨水日[一七九八年二月十九日]七十九翁君山小野鼎識》と明記されているので逆算すると……生年は享保五年(一七二〇)と推定できる。

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残念ながら校閲者として記載されている米花源友邦子寧と華岳篠本真信卿については不詳。

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版元は文会堂山田佐助(両国橋通吉川町)、弘文閣北島長四郎(神田鍛冶町二丁目)で、どちらも名のある書肆だったようだ。とくに弘文閣の刊行書は多岐にわたっている。山田佐助という人物がちょっと面白い。

《燕栗園千寿(えんりつえん ちほぎ)
江戸後期の書肆・狂歌作者。武蔵八幡の人。別号を石樹・栗園。江戸両国文会堂の養子となり、山田佐助と改める。燕栗園千穎の後を嗣いで、狂歌師として活動した。また版元として出版事業にも携わった。安政5年(1858)歿、55才。》(コトバンク)

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発行書目の最初に掲げられている《随園詩話 清随園先生著/日本 東渓/如亭 両先生録 全十二冊》に目を奪われた。柏木如亭の名前がこんなところに! 国会で調べると文化元年(一八〇四)刊の『随園詩話』が所蔵されているから、おそらくそれを指すものか。国会のデータでは巻ごとに録者と校閲者の号が違っていて妙だ。神谷謙には他に『考槃余事』の編著もあり中国の漢詩に通じていた人物のようである。

 神谷謙冲・鈔録 柏昶晩晴・較閲
 神谷謙東溪・鈔録 柏昶痩竹・校閲
 神谷謙國香・鈔録 柏昶晩晴・較閲
 神谷謙沖・鈔録 柏昶永日・校閲
 神谷謙迂齋・鈔録 柏昶如亭・較閲

書目で見ると他に、亀田鵬斎、市河寛斎、天民(大窪詩仏)、山本北山、太田才佐(錦城)らの名前が挙がっており、江戸漢詩のヌーヴェルヴァーグを網羅していた模様である。山田佐助の人脈なのだろうか、興味の惹かれるところだ。

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上巻の巻末遊び紙にこのような書き入れがある。貸本屋か本屋の符牒のようだが、意味不明。




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by sumus2013 | 2015-05-14 20:46 | 古書日録 | Comments(0)
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