林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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高田渡と……

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『雲遊天下』121号(ビレッジブレス、二〇一五年五月二〇日)高田渡特集! 歿後十年。早いものだ。詳しい目次などは下記にて。この写真(大塚まさじ「渡氏」より)、すんごいショットである。

雲遊天下121 特集◎高田渡と……

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高田渡について披露されている数々の想い出のなかで鈴木コージによるイラスト付き回想記がケッサク。鈴木氏が三鷹に住んでいた頃、高田渡が訪ねて来たことがあった。

《その姿は、ヴァンゴッホの耳切り事件とそっくりで、訳を聞くと、片耳の穴奥が故障して、手術をする事となり、まず、耳を切除してから、行う事、手術後ふたたび、耳をもとの位置に取りつける事を、聞き「先生、その時は、是非、耳を逆さにして付けて下さい。僕の音楽に新境地が開けるかも知れません」とたのんだそうで、その後包帯がとれた耳は、正常に、付けてあった。》

ふ〜む、すごいなあ。

高田渡については山之口貘との関連で書評のメルマガに書いたことがあるので、その一部分を引用しておく。高校時代、友人に借りた高田渡のアルバム「ごあいさつ」で山之口貘を知った。

《それから三十五年以上の時間が飛び去って、ようやく身銭を切って二〇〇七年に「ベルウッド名盤コレクション」CDの一枚として復刻された『ごあいさつ』を買うことができた。そのCD付録の歌詞によれば「生活の柄」は次のような文言である。

歩き疲れては 夜空と陸との 
隙間にもぐり込んで
草に埋もれては寝たのです 
所かまわず寝たのです
歩き 疲れては 
草に埋もれて寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです
 
近ごろは眠れない 
陸(おか)をひいては眠れない
夜空の下では眠れない
揺り起こされては眠れない
歩き 疲れては
草に埋もれて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです

そんな僕の生活の柄が
夏向きなのでしょうか
寝たかと思うと寝たかと思うと
またも冷気にからかわれて
秋は 秋からは
浮浪者のままでは眠れない
[下略]

もちろん高校時代から暗誦していたのだが、じつはこれが山之口貘の詩とは似て非なるものだということを知ったのは、CDを手に入れるよりもほんの少しばかり前、『山之口貘全集第一巻全詩集』を百万遍の青空古本まつりの会場で手に入れた直後のことだった。たしかキクオ書店の千円均一の平台だったと思う。千円均一なんて普通なら目にもとめないはずが、そのときは何の弾みか、ふと見ると函入で状態の良いこの全集の端本があった。さすがにこれが千円なら間違いなく安いだろうということは察しがついたが、それ以上に、本を見たとたん、突如、山之口貘の詩をまとめて読んでみたくなったのだ。「生活の柄」全文を引用する。

歩き疲れては、
夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝たのである
草に埋もれて寝たのである
ところ構わず寝たのである
寝たのであるが
ねむれたのではあつたのか!
このごろはねむれない
陸を敷いてはねむれない
夜空の下ではなむれない
揺り起されてはねむれない
この生活の柄が夏向きなのか!
寝たかとおもふと冷気にからかはれて
秋は、浮浪人のままではねむれない。

口語自由詩には違いないとしてもどこか硬さがある。これを高田渡の歌詞と較べてみると、何とも絶妙に高田が正真正銘の口語詩にほぐし直していることが分かる。分かるのではあるが、この原詩を初めて読んだときにはやはりガクゼンとした。「生活の柄」の作詞=山之口獏というのは間違いなんじゃないか、俺の青春を返してくれ!(というくらいのショックだった)

三十五年どころか、四十年以上が過ぎ去ってしまったが、このショックはショックとして、結局のところ高田渡の「生活の柄」は小生のなかで今も鳴りつづけている。

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by sumus2013 | 2015-05-13 20:40 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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