林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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左翼劇場パンフレット

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『左翼劇場パンフレット』第一号(左翼劇場、発行人=佐々木孝丸、一九二九年七月一日、表紙=村山知義)。タテ220ミリ、本文二十頁。うすっぺらな冊子である。今年のみやこメッセの古書即売会にて入手。じつは昨年夏の納涼古本市でも見かけていた。そのときは別の買物があったのでスルーしたのだが、今回またもや遭遇、まだ売れていなかったのかと驚きつつ買い求めた。数百円というわけではないけれど、高くはなかった(改めて強調する必要はありませんか)。

左翼劇場がどういうものか一口で説明するのは難しい。ただ当時の人々にとってもそうだったようで、本書には「日本プロレタリア演劇の発展ーー左翼劇場第12回講演に当つてーー」と題されたプロレタリア演劇小史が掲載されている(無記名)。

《我が国に於ける専門的なプロレタリア演劇は一九二六年二月、旧「プロ芸」演劇部『トランク劇場』として誕生した。》《同年十二月、当時の「文芸戦線」同人中の数人と「トランク劇場員」とによつて旧「前衛座」が設立され、その処女公演に於て堂々とプロレタリア演劇の存在意義を主張した。》

ところが前衛座は二七年六月「プロ芸」の分裂と同時に「前衛座」とその「研究所」に分裂し「前衛座」は旧「労農芸術家聯盟」に所属、旧「トランク劇場」は「プロレタリア劇場」と改称して対立したそうだ。しかし同年十一月になると「前衛座」は「労農芸術家聯盟」を脱退、「前衛芸術家同盟」を組織し「前衛劇場」と名乗る。この「前衛劇場」と「プロレタリア劇場」が提携してプロレタリア演劇の運動先端を歩むことになったという。もうすでに相当ややこしい。

《一九二八年三・一五事件の直後に、この戦線統一の波に促されて芸術運動に於ては旧「プロ芸」旧「前芸」その他が合体し空前の×圧の中に輝かしく『ナツプ』を結成したのは四月であつた。『ナツプ』の結成は他の芸術部門に於けると同様に、演劇運動に於ても明かに一つの画期的なモメントであつた。
 『ナツプ』の結成に当つて、東京に於ては、旧「前衛劇場」と旧『プロレタリア劇場』とは合同し、こゝに「東京左翼劇場」を結成し、ナツプ東京地方支部として、三・一五以来の×圧に抗しつゝ公演に、移動劇場活動に活溌に行動した。

×圧》はママ。「弾圧」か。 

《一九二九年一月一月、ナツプは再組織され各技術部門による全国的縦断組織を採り、演劇運動に於ては「日本プロレタリア劇場同盟」となつて現はれ、我が東京左翼劇場は同「同盟」(略称PROT[プロツト])に加盟し、其後、現在に至るまで大公演に移動劇場活動に活溌なる闘争を続けてゐる。》

この説明文の他に「トランク劇場」「プロレタリア劇場」「前衛座」そして「左翼劇場」の上演リスト(日本プロレタリア演劇公演一覧)もあってなかなか便利な冊子である。

左翼劇場第12回講演は村山知義作「暴力団記」(「戦旗」七月号所載)改題「全線」四幕九場。まず巻頭からその登場人物と粗筋が示され、続いて村山知義「漢口では」、佐野碩「『暴力団記』の演出に就て」というエッセイを上段に、藤森成吉「最近の演劇傾向」、秋田雨雀「ソウエートの左翼劇場と日本の左翼劇場」が下段にレイアウトされている。

ハンマーを握る腕のイラストひとつ(サインなし)。広告は『年刊日本プロレタリア詩集』(戦旗社)、三好貢編輯・街の手帖「歩道」、バア・オララ(銀座三十三間堀二丁目九)、紀伊國屋書店、黎人書房(市外中野町中野一六五四)、『女人芸術』(女人芸術社)。

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『女人芸術』執筆陣、なんとも強力だ。神近市子、永島暢子、上田文子、村山籌子、平林たい子、野溝七生、山本和子、山川朱実、林芙美子、森三千代、八木秋子、伊福部敬子、松田解子、熱田優子、大竹せい子、長谷川春子、西村あや子、木村喜久子、山下紅音、大石千代子。

今年これまでに買った古書のなかでは屈指の嬉しい一冊。

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by sumus2013 | 2015-05-04 20:55 | 古書日録 | Comments(0)
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