林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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ほんほん本の旅あるき

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南陀楼綾繁『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター、二〇〇五年四月二八日)読了。日本全国よく歩いてる。歩く先には本がある、人がいる。言うことなし。

産業編集センターの本『ほんほん本の旅あるき』
http://www.shc.co.jp/book/detail/000865.html

《「シルクロードじゃなくて、ナンダロードですね、これは」
 新潟を訪れたとき、メモ代わりに行った場所についてツイッターでつぶやいているのを見て、北書店の佐藤雄一さんはそう云ってくれました。
 貧乏性がなせるわざでしょうか。東京の自宅にいるときには周囲一キロ四方で同じような日々を送っているだけなのに、旅に出ると突然アクティブになるようです。地元の人に、「なんで一日でこんなに回れるんだ」と呆れられることもしばしばです。
 いろんな町に行ったときに残したメモや、買った本や雑誌、手にした地図などを眺めているうちに、「ナンダロード」の行程をまとめておくのもいいかもしれないと思い立ちました。本書は書き下ろしですが、一部は『雲遊天下』『コンフォルト』などに載せた文章を大幅に書き改めています。》(おわりに)

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《本書に載せた写真は、ぼくがデジタルカメラやスマートフォンで撮影したものです。素人のスナップ写真を、デザイナーの新井大輔さんが本文やイラストに合わせて的確に配置してくれました。
 イラストは、元〈ジュンク堂書店〉仙台ロフト店の佐藤純子さんにお願いしました(すぐれた書店員である彼女に「元」が付くことになったのは残念です)。彼女が出すフリーペーパー『月刊佐藤純子』そのままに、楽しいイラストを描いてくれました。もっとも、似顔絵が本人に似ているかは保証できません。》(おわりに)

いろいろ読みどころはあるが、やはりここでは古本屋のくだりを紹介しておこう。「うだつのある町でーー高知・阿波池田」より。

《高知市にはかつてタンポポ書店〉という古本屋があった。文学好きの夫婦が営む小さな店で、ご主人が亡くなってからも、しばらくは奥さんが一人で続けていた。その片岡千歳さんのエッセイ集『古本屋タンポポのあけくれ』は、気取らず威張らず、古本屋の日々をつづった、いい本だった。しかし、片岡さんは数年前に亡くなり、店も消えた。
 町の古本屋はどこの地方でも減少傾向にあり、四国も例外ではないが、高知市にはまだ何軒も古本屋があって嬉しい。〈猫目堂〉は三十代の男性が店主で、ミステリーやガロ系のマンガが充実している。そこから少し歩いたところの〈昭和塚〉は、蔵書家のコレクションがそのまま店になったような古本屋。高知の地域雑誌『月刊土佐』のバックナンバーが出ていたので、何冊か買う。貸本屋や映画館などの特集を組んでおり、貴重な記録になっている。路面電車の線路の近くにある〈ぶっくいん高知〉は、狭くてごちゃごちゃしているが、何か掘り出し物が見つかる予感のする店。高知出身の作家・濱本浩の展覧会の図録を買った。
 最後に行ったのは、〈かたりあふ書店〉。中心部からちょっと離れたところにある。さっきも寄ったのだが、まだシャッターが開いていなかった。店主の森岡たかしさんは、高知市内の病院に入院している奥さんを見舞いに行っているため、店を開けている時間は短いという。中に入ると、スチール製の本棚が林立し、やっと通れるほどの隙間しかない。岩波書店の本や文学全集、郷土史の本が並ぶ、反時代的までに硬派な古本屋だ。
 森岡さんは優しい顔つきで、やわらかく静かに話す。彼が発行する『かたりあふ通信』では、読書や古本についてのエッセイが綴られる。》

《この日の夜は、森岡さんが声をかけた高知の古本屋さんたちと、廣谷さんのバンド仲間のやっている〈にこみちゃん〉という店で飲んだ。およそ商売っ気の感じられない森岡さんが高知県古書組合の会長だけあって、組合員も、もうからなくても古本屋という商売を心から楽しんでいる。古書組合の加入費は県によって額が異なるが、高知は激安で、古本屋を始めるなら高知に移住する方がいいのではと思った。
 ちなみに、二〇一四年には香美市の山の上に、若い店主が営む古本屋〈うずまき舎〉がオープンした。タンポポ書店、かたりあふ書店に続く、高知の古本屋のDNAがこの店にも受け継がれているのかもしれない。》

南陀楼氏の旅心がよく分るいい感じの文章だ。自然にナンダロードが開けて行くのも著者の持ち分というものだろうか。一年半ほど前になるが、青山の狭い喫茶店でここに書かれているような本の旅についていろいろ話を聞かせてもらったことがある。その活動が直接の利益につながらないことを半ば諦め顔で嘆いていたが、いや、いずれなんとかなるものと小生は思っている。まずはこの本に結実したことを慶びたい。

南陀楼綾繁『小説検定』

南陀楼綾繁『谷根千ちいさなお店散歩』


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by sumus2013 | 2015-04-27 20:22 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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