林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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商売往来絵字引

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又玄斎南可『萬代珍寶商賣往來繪字引』(宝集堂)より巻頭口絵。本書に刊行年は記載されていないが、ネットで調べると一八六四年(元治一)のようである。早稲田大学図書館にも所蔵されておりネットから全頁閲覧できる(商売往来絵字引)。又玄斎南可(ゆうげんさいなんか)についてはよく分らない。幕末頃に活躍した著述家、画師(?)だったようだ。とりあえず以下のような書物を著している。

新編異国料理 又玄斎南可述 宝集堂 文久元年(1861)
道具字引図解 柳河春三 又玄斎南可 宝集堂 元治元年(1864)
江戸方角名所杖 初,2編 / 又玄斎 著図 ; 立斎広重 画 宝集堂, 慶応2[1866]
太閤記圖譜 ; (初)(ニ)(三)/大和屋喜兵衛 ; [出版年不明]

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《言語[ことば]ハ文字に形を成す。書亦変じて画(ゑ)にあらハれ。千代に八千代に礫石[さゞれいし]の。巖[いハほ]となりて苔むすまで。日の行駒[ゆくこま]に片時[へんし]もはなれず。士農工商日用の。言葉の文字に形を画[ゑが]き。令児愛娘[おこさんがた]の早解[はやわかり]。一寸画工[ちよつとぐわこう]の手を假[かり]て。商売往来絵字引成る
 又玄斎南可識

「君が代」の歌詞の一部が用いられているのが目を引く。古今和歌集巻七に「題しらず、よみ人しらず」として上がっている〈我君はちよにやちよにさゞれいしの巖と成りて苔のむすまで〉のもじりと思われる。古今集などの「我君〜」が古形だが一般には「君が代〜」として流布していたようだ。

商売人が覚えておくべき知識を絵入りで羅列した書物。たいへん面白い。当時の生活がよく分る貴重な記録である。商人向けだけに「遣之日記 やりのにつき」「証文 しやうもん」「注文 ちゆもん」「請取 うけとり」「質入 しちいれ」…などの単語から始まっているのも興が深い。

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薬種香具之類にかなりページを割いているのが目についた。

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図は引用しないが、魚類。筆頭は鯛。鯉、鮒、王余魚(かれい)、鱠残魚(きすご)、鱸(すずき)、鱧(はも)、鯵(あぢ)、まるがつお、あわび、きす、さば、いか、辛螺(ふし)、さざえ、蛸、くらげ、えび、牡蠣、蛤、馬刀(まて)、しじみ、鮎鰤(あゆきやう)、鮭塩引、干鱈、鯨之百品(くじらのひやくひろ)、するめ、塩鰤(しおぶり)、かつをぶし、鰯(いハし)、ひしこ……。鮪(まぐろ)が見えない。江戸時代には古名の「シビ」が「死日」に通じるとして嫌われたとも言い、保存の難しさから下魚として見向きもされなかったらしい。

巻末にも見開きの挿絵が掲載されている。繁昌している大店の日常の一コマという感じ。当時にあってはこれが商売人の理想像だったのであろう。

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中橋東中通下槙町大和屋喜兵衛板》としてあるので大和屋喜兵衛(江藤喜兵衛)がすなわち宝集堂であろう。店は日本橋通りに面していたようだ。




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by sumus2013 | 2015-04-19 21:09 | 古書日録 | Comments(0)
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