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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


桜谷

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本日は温暖な一日だった。市中ではそろそろ花が開き始めているだろう。ということで、木島桜谷(このしまおうこく、一八七七〜一九三八)の文字通り桜の短冊。台紙が付いているところからすると、屏風か画帳に貼られていたのだろう。誰かが切り売りしたというわけだ。

木島桜谷、名は文治郎、字を文質。別号に龍池草堂主人、朧廬迂人。京の三条室町東入る御倉町で生まれた。師は今尾景年。山本渓愚に儒学、本草学、漢学を学んだ。大正時代には竹内栖鳳と京都画壇の人気を二分する作家であったという。

文学少年だった桜谷は「論語読みの桜谷さん」とあだ名されるほどの愛読家となり、昼は絵画制作、夜は漢籍読書の生活を送る。

昭和8年(1933年)の第一四回帝展を最後に衣笠村に隠棲、漢籍を愛し詩文に親しむ晴耕雨読の生活を送った。しかし、徐々に精神を病み、昭和13年11月13日枚方近くで京阪電車に轢かれ非業の死を遂げた。享年62。墓所は等持院(非公開)。

京都市北区等持院東町の財団法人櫻谷文庫は、木島桜谷の遺作・習作やスケッチ帖、櫻谷の収集した絵画・書・漢学・典籍・儒学などの書籍1万点以上を収蔵、それらの整理研究ならびに美術・芸術・文化振興のために桜谷が逝去した2年後の昭和15年に設立された。》(以上ウィキより)

かなり前に京都の近代美術館で回顧展を見た記憶がある。最近では泉屋博古館で開催されたようだ。今ちょうど櫻谷文庫が公開されている。

櫻谷文庫 2015春の公開・展示のご案内
http://www.oukokubunko.org/index.html


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昨日届いた『第十回サンボーホール ひょうご大古本市目録』を見ていると街の草さんがガンバって出品しているのが目についた。なんと『水野仙子集』が格安で出ているではないか! と言ってもサッと注文するにはためらいを覚えるけれど「日本の古本屋」に数点出ているのから較べると格段に安い……。他には野呂邦暢『小さな町にて』もあった。

ふくしまと文豪たち 水野仙子ほか
http://sumus.exblog.jp/20105131/

ふくしま文学のふる里100選
43 酔ひたる商人 水野仙子 小説 大正八年(一九一九)
http://is2.sss.fukushima-u.ac.jp/fks-db//txt/47000.1994fukushima_bungaku100/html/00004.html


by sumus2013 | 2015-03-27 20:59 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)
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