林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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蒼蠅

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熊谷守一『蒼蠅』(求龍堂、一九七六年二月二八日)。熊谷守一美術館を訪問してからずっとモリカズが気になっている。先日たまたま少し傷んでいるせいかかなり安かったこの本を買って帰って一気読みした。いや、なかなかのクセものである。

熊谷守一美術館
http://sumus.exblog.jp/16509525/

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クマガイ語録では《白いままの紙の方が何か描いたものよりはずっとさっぱりして奇麗です》だとか《いくら気ばって描いたって、そこに本人がいなければ意味がない》とか《わたしは好きで絵を描いているのではないんです。/絵を描くより遊んでいるのが一番楽しいんです。石ころ一つ、紙くず一つでも見ていると、まったくあきることがありません》だとか、共感するところが大いにある。だからといって当然のことながらクマガイのように描けるわけでも描きたいわけでもないが。そういう姿勢でいたいと思う。

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興味を惹いたのは、すっかり忘れていたが、木村定三との関係。二〇〇九年三月だからもう丸六年前になる。シマウマ書房でイベントがあったとき愛知県美術館を訪れた。ここに木村定三のコレクションが収められている。蕪村、玉堂を中心とした江戸絵画から熊谷や小川芋銭、長谷川利行、香月泰男あたりまで、また茶道具や仏教美術も、成金趣味からはほど遠い「違いの分る」目で集めた優れたコレクションだ。

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熊谷はこういうふうに出会いを語っている。

《名古屋の丸善の展覧会のときに、初めて木村定三さんに会いました。木村さんはまだ金ボタンの学生風でしたが、いうことがいいんです。
 六十一歳のわたしを掴まえて「絵が面白いから百枚までは買ってやる。」というんです。今でもつき合っているところをみると、もう百枚以上になるんではないですか。
 このとき木村さんが買ったのは「たんぽぽにひきがえる」、「蟻と蝦蟇」でした。

木村定三コレクション広報誌『拝啓、木村定三さま』(愛知県美術館、二〇一三年)によればこれは熊谷の記憶違いだという。最初に買ったのは上の二点に加えて「富士山に蕃南瓜」の三点だったそうだし、百枚まで買ってやるとは言わなかったらしい。木村定三は大正二年名古屋生まれ、熱田中学から八高を経て東京帝大を卒業、父親の仕事を手伝っていた二十五歳のときにクマガイに出会った。

定三さんは名古屋でも有数の資産家でしたが、資金はほとんど美術品のためだけに使いました。晩年、美術品の数は増える一方で、ついには作品をおさめる蔵が三つも出来ていました。そもそも美術のコレクションは自分が勉強するために買うのであって、もっと高く売って利益をあげるためや、見せびらかして自慢するためではありませんでした。》(『拝啓、木村定三さま』より)

勉強するため……というのもどうなのかな? とは思うが、クマガイの姿勢と木村の姿勢に通じ合うものがあるようだ。結局それは二百十四点のクマガイ作品蒐集という形に結実しているこの小冊子の写真版で見る限りでも木村の鑑識眼は本物だったというのがよく分る。二〇〇三年歿。





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by sumus2013 | 2015-03-19 21:41 | 古書日録 | Comments(0)
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