林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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狐のだんぶくろ

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澁澤龍彦『狐のだんぶくろ わたしの少年時代』(潮出版社、一九八三年一一月五日、装幀=野中ユリ)。このブログで《無理して買うこともない、いずれ手に入るだろう》と書いたのが早いものでちょうど一年前だ。いずれ……で一年かかったわけだが、古本探しとしては案外短時間で見つかったナという感触である。もちろんネットを使えばすぐにでも手に入る。しかしそれでは面白くもなんともない。ある日、意外な場所で遭遇し、じゃあウチにくるかい? みたいな出会いを待っていた。その通りになった。

タイトルの「狐のだんぶくろ」は澁澤が子供の頃に聞覚えた童謡の歌詞から。

 狐のだんぶくろ 見つけた
 山の夕立 降りやんだ
 赤いお日さま 薮にさす
 つくつくぼうしは 枝の上

中山晋平『童謡小曲集』第二集(山野楽器、一九二二年)に百田宗治作詞の「狐のだんぶくろ」という曲が入っているようだが、それに該当するのかどうかは、本書の後書きでも触れられていない。「だんぶくろ」というのは元来は木綿の袋(駄荷袋)を指したようだが、幕末になって西洋式の軍服が採用されたとき上着のことを「筒袖」、ズボンのことを「段袋」と称した。

ただ、本書で澁澤は狐のだんぶくろ」をキツネノチャンブクロ(ムラサキケマン)あるいはキツネノチャブクロ(ホコリタケ)、歌詞の内容からみて後者ではないかと推測している。なお『牧野新日本植物図鑑』(一九七四年二十八版)にはこみかんそう(きつねのちゃぶくろ)という項目があり《小蜜柑草は果実の小型のミカンに見立て、また狐の茶袋も果実の形からきた》としてある。たしかに上の歌詞からするとキノコの方が似つかわしいだろう。

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別丁扉


いろいろ引用したいところがあるので何回かに分けようと思う。まずは古本屋の記憶から。

《たしか昭和二十二年の秋だったか、私がこの本を神田の古本屋で手に入れてきて、いざ読もうとすると、ページのあいだから、ぱらりと落ちたものがあった。なんだろうと思って見ると、それは古びて紙の色も黄色くなった、昭和六年発行の三省堂のPR雑誌 THE ECHO だった。タブロイド版四ページの新聞で、なかなかモダンなレイアウトである。》

『エコー』が挟んであった本は『世界大都会尖端ジャズ文学』(春陽堂)の一冊「モンパリ変奏曲・カジノ」。小生架蔵の『エコー』はA5判だが、昭和六年にはタブロイド版だったのか。

《戦前から戦後、そしてオリンピック以後の現在へかけて、有楽町の駅も変貌に変貌を重ねたような気がする。たとえば戦後の一時期、銀座方面への出口のまん前に、かなり間口のひろい一軒の古本屋があったことを私はおぼえているが、こんなことが今どき信じられようか。》

《あれは私が浦和の旧制高校にいたころだから、たしか昭和二十一年だと思うが、あるとき、私は友だち二人とともに、数十冊の本をかついで銀座へ売りに行ったことがある。友だちの父が蔵書家だったので、その書斎からこっそり本を持ち出したわけだ。有楽町のガードの下にゴザを敷いて古本をならべている露店商に、私たちは本を売って金を手に入れると、さっそく東劇でフランス映画を観た。たしか「商船テナシチー」だったと思う。それから東劇の前の川でボートに乗って遊んだ。もちろん、今は川はない。》

昭和二十二年、銀座の古本市については以前のブログに写真を掲載した。たしかに川があった。

汐留川沿いの露天古本市
http://sumus.exblog.jp/17749681/

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by sumus2013 | 2015-03-13 20:41 | 古書日録 | Comments(0)
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