林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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明治作詩含英

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橋本海関『天下一品明治作詩含英 巻之上』(文栄堂書楼、一八八三年六月)を某先生より頂戴した。《この本を手にした時から林さんの顔が浮かんでいました》とのこと。深謝申し上げます。作詩含英とは漢詩を作るのための参考書である。この表紙がちょっと変っている。和綴じ本に和紙カバーをかけ、その上にタイトル紙を貼付けてある(黒枠内、黒枠も含む)。察するにこれは袋に印刷されていた表題を切り取ってカバーに流用したものであろう。本表紙には例のごとく縦長の題簽が貼ってあるのみ。

和本の袋

著者の海関橋本小六は嘉永五年(一八五二)播磨に生まれている。名は徳、字は有則。父文水は明石藩の学問方、祖父は武芸の指南役を勤めていた。維新後は兵庫師範学校、神戸中学の教師となり、本書の刊行された明治十六年に長男の橋本貫一(画家の橋本関雪)をもうけているが、貫一が五歳のときに出奔した。詳しくは下記サイトを。

橋本海関先生の墓


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序には木瓜菴と署名があるが誰なのか? 校閲は岡本黄石。井伊直弼亡き後、彦根藩の政を動かしていた尊王攘夷派の志士で漢詩人としても名高い。

本文「詩学綱領」はこのような言葉で始まっている。句点と読点の別がない。

《凡ソ世ニ楽事多シト雖モ詩文ヲ作ル楽シミニ優ル者ナシ。何トナレバ游賞楽事は一タビ過グレバ其迹ナシ。若シ之ヲ詩文ニ托セバ僅々タル片言隻辞ヲ以テ。吾游賞楽事ハ勿論。吾ガ喜怒哀楽。心志思欲。愛憎感慨ヲ摸写シ。天地古今。人物政事。山水花月。琴棋書画。神仏仙怪。一切万物ヲ写シ。而シテ其精髄ヲ鐘(アツ)メ英華ヲ会シ。之ヲ天下ニ伝ヘ。之ヲ後世ニ遺ス。豈ニ楽シムベキニ非ズヤ。況ンヤ方今(タダイマ)文明ノ世ニ当リ。太平ノ恩ニ浴スル者ニシテ。文筆ニ親シマズ。志想ヲ吐露セズ。沈々黙々(クチツマヘモノイハヌ)トシテ木石ノ如ク。百年ヲ閑過シテ可ナランヤ。故ニ人トシテ詩文ヲ学バザル者ハ。方今文明社会(ナカマ)ニ容レラレザル所ナリ。》

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色刷りの圏点は初めて見たような気がする。本文は銅板刷りだが、圏点も銅板だろうか。木版らしくはない。色刷りは四丁にわたっている。

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明治の文学というと新体詩だとか言文一致ということになりがちだが、明治時代を通じて漢詩はかなり盛んに作られていた。こういう書物もまだまだ需要があったわけである。


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by sumus2013 | 2015-03-09 21:22 | 古書日録 | Comments(0)
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