林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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実地製造化学

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上田貞治郎『富国全書実地製造化学第壹編』(青木嵩山堂、一八九四年一月五日訂正増補第二版)、表紙そしてピンクの扉。明治二十七年一月発行。日清戦争勃発が同年七月という時代。

内容は化学薬品の製造方法を図入りで述べたもの。洋書からの抜粋要約らしい。第二篇、第三篇も発行されていた。著者の上田貞治郎(うえだていじろう、松翁、一八六〇〜一九四四)は大阪の薬屋・上田済生堂の十四代。関西薬学校(大阪大学薬学部の前身)の創立者であり、また上田写真機店を開業したことでも知られる。上田写真機店に関して以前の記事にも書いたが、嵩山堂の青木恒三郎とは兄弟だそうだ。

最新写真機
http://sumus.exblog.jp/8065261/

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また貞治郎はキリスト教徒で、聖書の収集家としても知られた。奥付に印刷者として今村謙吉の名前が見えるのもキリスト教つながりだろう。今村は明治八年に神戸で『七一雑報』を創刊、キリスト教関係の出版販売のために福音社を創設したが、明治十八年に経営破綻し、この時期には印刷業を営んでいた。後に今村の印刷機や在庫を引き受けることになるのが警醒社の福永文之助である。

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巻末、姉妹編などの広告頁。立体的に見えるケイの使い方に感心する。見返しにある書き入れは次のように読める。

明治三十年旧二月二十四日求
此代価金四拾銭 外郵税五銭
東京青木嵩山房ヨリ
荒井邨字中里
主   遠[?]善八必携

「荒井村中里」は会津のようだが、どうであろう。


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こういう図版が多数挿入されている。原画は銅版画に違いないが、この印刷の版式が銅板なのかどうかよく分らない。とにかく線は細い。例えば《明治初期、最新の製版技法であったエルヘート凸版を採用した初めての切手です。それまでの手彫り方式とは異なり、原版を正確に複製し、精緻で均質な図柄を印刷できるようになりました。》(お札と切手の博物館「製版の革新 小判切手1銭」より)などという判式もあったようだ。

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大日本国民専用実地有益大全下巻』から氷の製法を引いたので同じく本書からも製氷器の説明を。(イ)にアンモニア水を入れ熱すると(ロ)の管を通って(ホ)のなかの水を冷却して氷ができるの図。

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もうひとつ、液体炭酸の製造方法。上右の装置で製造し左の濃縮壜に詰める。これを開けば炭酸ガスが吹き出すという仕掛け。

《炭酸瓦私ハ最モ多ク人口炭酸泉即チ「ラム子」ノ製造ニ供用ス》

ラムネの普及にはこんな装置が欠かせなかった。なお青木嵩山堂のトレードマークはライオンだった。こういうシンボルを使った版元としても他に先駆けていたようである。

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by sumus2013 | 2015-02-18 20:23 | 古書日録 | Comments(0)
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