林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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睟興伝

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河内金太楼主人『睟興伝 巻之二』(加賀屋弥介、文化六年己巳[つちのとみ、一八〇九年]春)。久々、双白銅文庫の収穫。金太楼主人についてはよく分らないらしい。浮世絵師に詳しいサイト「浮世絵文献資料館」によれば以下の通り。

きんたろうしゅじん 金太楼主人〔生没年未詳〕

○『京摂戯作者考』〔続燕石〕①339(木村黙老著・成立年未詳)
 (「浮世絵師」の項)〝金太楼主人 大坂の人、京町堀〟

○「日本古典籍総合目録」
   作品数 … 7
   画号他 … 東・秋颿・東蘭洲・伊東蘭洲・金太楼・金太楼主人
   分 野 … 洒落本1・読本2・滑稽本1・川柳1・随筆1・地誌1
   成立年 … 文化2~4・14年(5点)
         文政10年    (1点)
〈『京摂戯作者考』は「浮世絵師」の項に入れるが、すべて著作、作画はなし。二点ある読本の挿画を担当したのは、文化九年の『金屋金五郎全伝』が浅山蘆国、文政十年の『復讐棗物語』が一楊斎正信である。また、伊東蘭洲は江戸の地誌『墨水消夏録』(「燕石十種」第二巻所収)の著者として知られる〉

『睟興伝(すいきやうでん)』が上記作品数に含まれているのかどうか分らないが、含まれているとしたら滑稽本だろうか。本書には三話収められており一話と二話の主人公は角二(つのじ)とダチの青葉笛九郎(あをば・ふへくらう)。やくざだがまぬけな憎めない男たちという設定。第三話は(たぶん第一巻に登場したであろう)茶二四郎(ちやにしろう)と釜五郎(かまごらう)、釜五郎がぞっこん惚れ込む垂水(たるみ)という女が演じるドタバタ。これが案外と面白い。

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奥付で「画工 蟹亭蘆邨」としてあるが、この名前では何も見当たらない。上記引用中に出ている《浅山蘆国》と蘆が通じているので何か関係があるのかも…と思ってみるくらいのところである。

第一話、博打でスッテンテンになった角二が賭場の砕銀を口にほおばれるだけほおばって逃げ出そうとするところをバレて散々な目にあう。

第二話。角二はしばらく真面目に働いて、景気のいいその店の主人から箪笥貯金の在処を聞き出す。そして笛九郎と二人で夜中に押し入ろうとするのだが、やっぱりドジを踏んでしまう。上の挿絵は這々の体で逃げ戻った笛九郎の家で冷え切った体を付け木を燃やして温めている角二。それを見て大笑いする笛九郎。

《漸[やうやう]燧箱[ひうちばこ]に摸[さぐ]りあたり、燧[ひ]を切[うち]、付木[いをん]一枚、〓[火+占、ぼつ]ともやしてハあたり、消んとすれば、また一枚、〓[火+占、ぼつ]と〓[火+皮、もや]してハあたりあたりする所へ笛九郎は気喘[すたすた]いふて跑[かけ]もどり、這[この]ていを見て、苦しきなかにもおかしく、戯[たわむ]れていふ、哥々[あにきあにき]付木[いほん]を五六束[ころつぱ][火+占、もやし]たらば、身も微[すこ]しあたゝまりぬらんとて可々大笑[おおひにわらひ]ぬ

「気喘[すたすた]いふて跑[かけ]もどり」のスタスタは今ならさしずめハッハッかゼイゼイか。

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二枚目の挿絵は第三話。垂水の浮気に乱入した釜五郎は垂水の首をスッパリ斬り落とす……と、じつはこれは茶二四郎の企み。すなわち、釜五郎の目をさまさせるために垂水そっくりな顔立ちの人形の首を付けて扮装した茶二四郎だった。あんな浮気女のために一生を棒に振るんだぞということで説得に成功するのである。

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by sumus2013 | 2015-02-16 21:55 | 古書日録 | Comments(0)
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