林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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きょうは美術館へ

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片岡千歳詩集『きょうは美術館へ』(タンポポ書店、一九九七年一二月一五日、装幀=織田信生)をある方より頂戴した。タンポポ書店は高知にあった古書店。それについては高橋輝次さんの「高知、タンポポ書店主の本を読む」に詳しいので参照されたし。

杉山平一を中心とした『月曜日』に参加しているときに処女詩集『ありあ』(一九五九年)を刊行したとのこと。それから四半世紀を経て本書を上梓した。杉山は巻末に寄せた文章でこのように書いている。

《片岡さんとは古いつき合いである。
 大戦後、昭和二十八年ころ、神戸で詩の勉強会をひらいて会の名前を『月曜日』と名付けていた。そのグループの一人が、当時、阿部さんといった片岡千歳さんだった。
 高島菊子さんや、清水正一さん、岡田兆功さんもいたなかで、一番明るく、その若々しさに、私もずいぶん教えられた。東北出身だというのに、明るい笑みを絶やさず、みんなに親しまれていた。その東北の彼女が、こともあろうに、南国の高知に嫁いだときいて、はじめは信じられなかったが、あの明るさは、南国にふさわしい、と納得したことだった。》

片岡さんの詩がいい。小咄のようにサゲ(オチ)を付けるタイプの作風で、それが少しハマりすぎているような気のする作品もあるが、なかなかの技巧家と言えるだろう。参考までに三篇引いておく。いずれも全文。


    夢

 疲れ果てて
 夢からさめる
 ついに目的の場所に
 行き着けなかった

 出かけようとしたら
 靴が汚れている
 あっ
 夢のなかを歩き回った靴だ

 

    蛇

 やわらかな草の上にならんで
 わたしたちは足をなげだしていた
 五月の空は
 ふかく青かった

 彼のポケットにリルケの文庫本があり
 わたしの手には 南の地に来て初めて手にしたキン
  カンの実が光っていた
 そのとき ふたりのわずかな間を
 音もなく 一本の縄がするすると流れた

 蛇の眼には
 彼はただの石っころ
 わたしは一株のイカリ草

 その日から ずいぶん沢山の季節を見送った 
 そして 彼までも



    私

 シャツを脱ぐように
 心をすてることは出来ない
 せめて畳んでおく
 真新しいシャツのように


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by sumus2013 | 2015-02-01 21:03 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by やす at 2015-02-06 04:56 x
杉山平一先生のグループらしいウィットと清潔感のある詩人ですね。
Commented by sumus2013 at 2015-02-06 09:34
ウィットですね、そう、たしかに。もう一冊も手にしてみたいと思いました。
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