林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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六尺の土

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若杉慧『六尺の土』(大地書房、一九四七年一二月一〇日、装幀=芹澤銈介)。先日、芹澤銈介展が高島屋で開催されていたとき、ちょうどタダ券をもらったので、見に行った。回顧展は昔一度見た記憶がある。デザイナーとしてはひとつの境地を拓いている。ただ装本の仕事(とくに豪華本)はどうも好きになれない。かえってこういう何気ない雑な本の方が好ましいように思う(単なる小生の趣味です)。

回顧展には芹澤銈介のコレクションも展示されていた。芹澤のコレクション展も大阪の民芸館で見たことがあって(芹澤銈介美術館には4500点が収蔵されているという)、それは見事なものだった。今回も数はそう多くはなかったものの素晴らしい作品(必ずしも民芸というわけではない)が揃っており初春早々の眼福を感じた。

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芹澤展を見た直後、この本を求めた。若杉慧のあとがきによれば、昭和十八年に出版会の許可が下りず(作風が暗すぎるという理由だったそうだ)『文芸首都』に発表されただけで単行本にはなっていなかったのを二十二年に大地書房から刊行したということらしい。「六尺の土」のタイトルはトルストイが《人間にはけつきょく自分が死んだときその死体を埋めるに足るだけの六尺ほどの土地さへあればいい》と書いていることからきているそうだ。

若杉慧
http://www.library.city.hiroshima.jp/wakasugikei/

たまたま郷里で見つけた『アサヒグラフ』2579号(朝日新聞社、一九七三年四月一三日)「染織50年の華麗な道標「芹澤銈介展」から」をコラージュの材料にでもしようと持ち帰っていたのだが、それを改めて拡げて見ると寿岳文章が「芹沢さんの世界」という文章を書いていた。そこで寿岳は芹沢が初めて会った四十年前からまったく変らず「できあがった人」だと言い、次いで柳宗悦の芹澤評に及ぶ。

《芹沢さんに対する柳さんの信頼の出発点は、やはり芹沢さんの物を見る目のたしかさであったと思う。たとえば、早くから芹沢さんが集めていた絵馬にしても、柳さんはすっかり感心し、「あの集めぶりはたいしたものだ。本当の美しさがわかっている何よりの証拠だ。芹沢君の集めたものには、一つもクズは無く、どれもみな光っている」と、よく私に話した。》

柳宗悦『蒐集物語』
http://sumus.exblog.jp/20884792/

さらに芹澤の絵本ドン・キホーテの制作が遅くてやきもきしたこと、それ以後仕事を頼む時には三倍の時間がかかると覚悟したことを語り、毎年制作していた芹澤のカレンダーの話で締める。時計の感覚がないだけに《最初のうちは、二月が三十日もあって、たいへん楽しかった》そうである。





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by sumus2013 | 2015-01-29 20:15 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by 牛津 at 2015-01-29 21:12 x
寿岳先生の『紙障子』には2種類の装幀があります。確か以前ここでもご紹介されていたと思いますが、芹澤の装幀は簡素ないいものだと思います。最初に出た方の「箱」は捨てがたいです。
Commented by sumus2013 at 2015-01-30 08:25
『紙障子』の落着いたシンプルさはたしかにいいですね。
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