林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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風狂の人・関口良雄氏

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『古本屋』第2号(青木文庫、一九八六年五月)。ヨゾラ舎で八月に創刊号を購めたのだが、そのとき二号もあって、それも買おうかどうか迷った、ということで先日の訪問で購入。やはり尾上蒐文洞から今木敏次(古書さろん天地)宛の献呈署名入り。

『古本屋』創刊号

本号には小林静生「風狂の人・関口良雄氏」が収められている(前回はこの記事に気付かなかった、気付いていればこちらを先に買ったはず)。

『風狂の人・山王書房店主関口良雄』

小林氏による追悼文である。関口の熱っぽさ(「おしゃべり」ということ)に圧倒されたというくだりにその口調が活写されている。見事。

《「小林さん、解ってくれるかね。すごい、小林さんは詩人だ。もう少し聴いてくれるかね。今日は特に口の廻りが好い。いやどうも、どこまで話をしたかね、ハッハッハ。どうも困ったもんだ。その看板の話だがね。この前東横線のある駅でね、あの例の線路の所にある看板でね。"ホネツギ"ってのがあったんだね、"ホネツギ"、こりゃ傑作だね、一挙に江戸時代だ。続いて又看板の話だがね。ウチでも"古本高価買入"と書いてもらったんだが、どうも気になってね。道路の向側へ行ってしばらく眺めていたんだ。ところが"高価"という字が妙に胸にささってくるんだね。翌日もしばらく眺めたんだが、ますますどうもしっくり来ない。そこで看板屋を呼んで"高価"の二字を"誠実"と書き直してもらった訳だ。これでやっと落着いたと思っていたんだが、二、三日すると、これが又どうも腹にキチンとおさまらないんだね。考え込むと"高価"よりも"誠実"の方が余計ひっかかってね。そこで又看板屋を呼んで全部塗り替えてもらって、いっそのこと、何も書かないで置こうかと思ったが、それじゃ看板屋が可哀想だから、まあ"古書"とだけ書いてもらったという訳です。いや、ほんとの話です。驚いていたのは看板屋や家族の者ではなく、近所の人達でした。」》

このとき小林と同行していた文雅堂・高橋太一が後で小林に耳打ちした。

《「山王さんの話はうまいだろう。今日は君と始めてだからサービスしたんだ。しかし気をつけないといけない。半分位は創作だからー」》

この後も関口の風狂ぶりについての回想が続くが、傑作なのはこの関口のマシンガントークが遅れをとった事件。市川の同業者中林保雄の通夜の帰りに関口が思い出として語ったそうだ。その二年前、中林としゃべりたくて店を訪れたことがあった。

《丁度好い具合に当人が店番しておられた。奥さんが美味しいお茶を入れて下さり、一通りの挨拶が済んで、さあこれから積る話を始めようとしたら、間一髪、向うの方が早かった。チャンとお見通しだ。それから何時になっても中林さんの話が止まらない。チョットのスキもないんだ。これには参ったね。小林さん。大体、お客さんの話を聴くと云うのが礼儀と云うもんじゃないかね。それで仕方がないから棚の反対側に身を隠していつ終るかとじっと我慢していた。しかしテキも偉いもんだね。棚のスキ間から、どうしているかと覗き見したら、手紙か何んかを書きながら話し続けているんだね。これには参ったね、ほんとに参ったーー。》

小林が『群島』(山王書房、一九七〇年。尾崎一雄、上林暁、木山捷平、関口、山高登の合同句集)から引用している関口の俳句をひとつ。

 きさらぎや古書買う人のしづかなる

ついでに書いておけば、中野智之さんに『東京古書組合五十年史』の続編を担当して欲しいと言ったのは小林氏である。五十年史を編集したのが小林氏であった。



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by sumus2013 | 2015-01-13 21:43 | 古書日録 | Comments(0)
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