林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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乾杯 他四篇

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柏倉先生より『ユリイカ』誌上で始まったマラルメ詩の新訳連載を送っていただいた。深謝いたします。最初の頁だけかかげておく。

「乾杯 SALUT」が斜体字になっているのは『マラルメ詩集』にならったものと思う。架蔵の『マラルメ詩集』(一九一四年七版、この初版は一九一三年で歿後すぐに刊行された一八九九年版に基く)では巻頭に置かれ、本文より小さめの活字で組まれている。サリューは挨拶の言葉でもある。ただ初めはまさに「トースト」と題されていたようで、実際に宴会でマラルメが「カンパイ」の音頭をとったときの情景を描いたらしい。泡とあるのはシャンパンの泡だという説もあるそうだ。とにかく文学の海を行く人魚(詩人)たちにあいさつを送る詩である。「帆の白き悩み」とあるところ原文は「Le blanc souci de notre toile」で toile は画布(キャンヴァス)の意味もあるが、おそらく詩作を始める前の白紙のイメージではないかなと思ったりする。

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架蔵のマラルメ詩集『STÉPHANE MALLARMÉ POÉSIES』(NOUVELLE REVUE FRANÇAISE, 1914)は第七版。初版ではないものの第六版までは一九一三年中に出ているから、単純に考えてかなり売れ足の良かった本であろう。フランスの古書サイトでもそこそこいい値段が付いている。ただ、これが特別なのは山田珠樹旧蔵書だということだ。

山田珠樹旧蔵書

「SALUT」のページはこのように組まれている。

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「不運」のページと較べると挨拶の感じがよく分る。

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後記で柏倉先生はこう書いておられる。

《これまでも多くの詩、とくにフランス語の詩を翻訳してきたが、翻訳では詩人が詩句にこめた意味は伝えられても、詩がもつ音韻の効果は伝えるべくもない。象形文字である漢字と、音をあらわす仮名を併用する私たちの言語とは違い、アルファベット二六文字の組み合わせで書かれた欧文の詩は、本来、耳で聴いて理解するものである。意味の伝達を主眼とする散文はさておき、詩を日本語に移すことにどんな意味があるか。詩を翻訳するたびに、いつもこうした後ろめたさにつきまとわれてきた。今度それをおして敢えて翻訳をこころみたのは、長年のマラルメ研究に決着をつける気持からである。》

これまでもこの問題はしばしば取り上げたが、たしかに詩の翻訳は不可能に近いと思う。音の調子の良さを重視すれば意訳というか誤訳に陥るし、語句の直訳では解説になってしまう。和歌のようにひらがなだけを使って音数も同じ脚韻も踏むというような翻訳をしたとしても(まず無理だとは思うが)、それでうまく訳したことになるのか……。音楽に喩えて、原曲をどう演奏するかという問題に置き換えて考えてみると、それならば、どのように演奏してもさしつかえないような気もしてくる。原曲そのものよりも演奏の方が問題になるわけだ。別の曲に聴こえてしまってはまずいだろうが、演奏のうつくしさで勝負するしかないのかもしれない。

次回以降も楽しみにしております。下記に単語インデックスあり。

Top-Index des mots des poésies de Stéphane Mallarmé

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by sumus2013 | 2015-01-07 21:43 | 古書日録 | Comments(6)
Commented by 岩田 at 2015-01-08 09:54 x
謹賀新年 Bon annee 小生も連載楽しみです♪
Commented by sumus2013 at 2015-01-08 11:18
岩田さま 本年もよろしく。またどこかでお会いしたいですね。
Commented by やす at 2015-01-08 22:18 x
この本、亀山巌が倣って装釘した折戸彫夫の詩集と本当にそっくりですね。
Commented by sumus2013 at 2015-01-09 11:55
イラストが追加されているだけですね。このレイアウトを真似た表紙は少なくないです。新潮文庫の表紙もこれに倣っているようです。
Commented by monsieurk at 2015-01-09 15:54
「ユリイカ」への連載をご紹介いただき、感謝いたします。マラルメの詩の翻訳は、かつて「牧神の午後」を訳して小冊子を編んだ以外は念頭になかったのですが、ついに踏み切りました。今年前半はかかると思います。ぜひ皆さんにもお目通しいただければ幸いです。それにしても山田珠樹先生旧蔵本をお持ちとはうらやましい。私はご子息の山田爵先生に中世フランス語を習いました。柏倉康夫拝
Commented by sumus2013 at 2015-01-09 20:18
マラルメ、これまでとっつきにくかったのですが、先生のお仕事をきっかけに詩作品を味わっていけたらと思っております。この『マラルメ詩集』は京都で求めたものです。蔵書印に気付いて驚喜しました。
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