林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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バター皿

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『L'Assiette au Beurre』No.150(Février 1904)。昨年六月のジョルジュ・ブラッサンス公園で求めた。大判(A4より一回り大きい)の薄っぺらいこの雑誌が何十冊もあって、どれも魅力的だったが、この表紙の迫力に負けた。

「L'Assiette au Beurre」は文字通りには「バター皿」という意味。しかし隠語では「うまい汁」(利権)。一九〇一年四月にこの諷刺雑誌『バター皿』は創刊され、ベル・エポックのフランスのジャーナリズムに革命を起こしたと言われるくらいの衝撃を与えた。一二年までは週刊、その後月刊になり不定期になって三六年に廃刊したという。

絵がズラッと並び、短いコメントが添えられている。画家ではヴァロットン、ヴァン・ドンゲン、キュプラ、ホアン・グリス、ジャック・ビヨンなど著名になった者もいれば、その後忘られたグランジュアン(Granjouan)、ドラノワ(Delannoy)そしてこのジョソ(jossot)など有力な漫画家を輩出している。執筆者ではアナトール・フランス、レオン・ブロワ、オクターヴ・ミルボーなど。

表紙は「進め!」とどなっている巡査。この号は巡査の巻。

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左「タバコ屋への道路をきれいさっぱり片付ける方法を知らんだろ」
右「つべこべいうなら、わしがつるしあげてやるぞ」

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左「おまわりさん…」「わしの知ったことじゃない」
右「ぐずぐず言うのはどこのどいつだ、くたばりたいか!?」

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左「中央班で押しつぶせば、混乱するじゃろう」「誰が騒乱をたたくんだ…?」
右「町におまわりさんは、必要だ!」

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平和の守護者

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左「こいつは”ポリ公”と言いやがったそうだ」
右「やつは昇級するには普通すぎますな、ある共同体の出身で…」
 「班長! フランス人を知らんのか。共産主義とは言わんでくれよ」

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左「やあ! こいつはブンやだぞ!!!」
右「ブランデーを忘れるなよ、棍棒もな」

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左「畜生、ひどい風だぜ」「まだ颱風ってわけじゃないよ」
右「こいつらに話をつけさせろ!」

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「解散!」

……と誤訳もあるかもしれないが、だいたいこんなところ。ジョソの筆法は線描と平塗が特徴で浮世絵から影響を受けたと言われているようだ。というか、今でもフランスで大人気放送中の米国アニメ「シンプソンズ」にそっくりなんですけど。



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by sumus2013 | 2015-01-04 20:41 | 古書日録 | Comments(0)
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