林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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紙凧一つ

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先日の『井伏鱒二対談集』を読んでくださった方より縦長の印が捺された井伏鱒二の掛軸の写真が届いた。深謝です。まずは、何より文句がいい。

 わたしのこゝろの
 大空に舞ひ狂ふ
 はるかなる紙凧一つ

井伏には「紙凧」(一九二八)という詩があり、そちらはこうなっている。

 私の心の大空に舞ひあがる 
 はるかなる紙凧 一つ
 舞ひあがれ舞ひあがれ
 私の心の大空たかく舞ひあがれ

舞ひあがる」であって「舞ひ狂ふ」ではない。実は「紙凧」に先立つ「病臥温情」(一九二三)という作品の前半には次のような文句が見られる(ネット上で拾ったので正確ではないかもしれませんが)。

 私の心の大空にまひ狂ふはるかなる紙凧
 北風をうけ裏風にまひ落ちまひ落ちて
   ひるがへる
 糸のたわみは畔を越え
 そこにかしこに枯枝にふく。

大空を舞っている凧が墜落してゆく描写だが、後半では、

 薄墨色の夢で刻んだ糸枠に
 たぐる糸のたわみをゆさぶりつゝ
 目にたづねるはるかなる紙凧のむくろ
 -------あゝ、まひあがれ
 まひあがれ私の心の大空高くまひあがれ

と視界から消えたその凧に対して「舞ひあがれ」と強く念じる、まさに鼓舞するように。作者の心の底にはよほどの屈託があったと言えようか。これら二連のややくだくだしい描写をスッキリと止揚することによって「紙凧」の四行に落ち着いた。そしてさらに頂戴した写真の三行詩、これはもうひと山越えた感じがする。ほとんど俳句である。

箱書きがこちら。井伏圭介。

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検索してみると井伏鱒二の長男で金工家のようだ。昭和五年東京生まれ。ただし歿年が定まらないのが困る。二〇〇五年としているものあり、一九九六年(東京国立近代美術館工芸館のサイト!)とするものあり。国会図書館は二〇〇六年説。

井伏, 圭介, 1930-2006 || イブセ, ケイスケ,

井伏圭介の共著書『金工の伝統技法』(オーム社)には平成18年歿》とあるようだから二〇〇六年歿と考えておいていいのかもしれない。

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by sumus2013 | 2014-12-15 20:34 | 古書日録 | Comments(0)
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