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古書目録についての二三のこと本日の話題は古書目録。千代田図書館で「古書目録のココが好き!~8人の達人が選ぶ、とっておきの一冊~」という展示が来月から始まるとある方がお教え下さった。南陀楼綾繁氏、岡崎武志氏、かわじもとたか氏も加わっている。古本猛者が選ぶ古書目録、どんなものが並ぶのか楽しみだ。と言ってもたぶん見られないだろうと思うけど……。 それから上の写真の左のちらし。古書店さんの目録ナビ【モクナビ】、そんなサイトができていたのだ。めぼしい目録をただで送ってもらえるらしい。運営は目録印刷を数多くこなす上毛印刷株式会社。 もうひとつ。某氏が送って下さった『雄松堂書店稀覯書目録 YUSHODO RARE BOOKS 2014』(写真中央の赤茶の表紙)にもちょっと驚かされた。珍しい本の珍しい図版が目につくのは当然としても、目をみはったのはキルヒャー『ノアの方舟』初版(一六七五)から方舟の図解。こんなにも具体的なイメージで想像したことはなかった。 《本書は、ハプスブルク家最後のスペイン国王、弱冠12歳のカルロス2世のため、旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する、大洪水にまつわるノアの方舟について著したもので、聖書に書かれていることはすべて真実であると説いています。》 ほほう、そういうことか(つまらぬことだが「弱冠」は十二歳には用いない方がいいと思う)。創世記をひもといてみるとたしかに数字を挙げて舟の構造が指示されている。 《神ノアに言たまひけるは諸(すべて)の人の末期(をわり)わが前に近づけり其は彼等のために暴虐世にみつればなり視よ我彼等を世とともにせ剪滅(ほろぼ)さん 汝松木をもて汝のために方舟を造り方舟の中(うち)に房(ま)を作り瀝青(やに)もて其内外を塗るべし 汝かく之を作るべし則ち其方舟の長さは三百キユビト其闊(ひろ)さは五十キユビト其高は三十キユビト 又方舟に導光牗(あかりまど)を作り上一キユビトに之を作り終(あぐ)べし又方舟の戸は其傍に設くべし下牀(した)と二階と三階とに之を作るべし》(6章13〜16、『旧新約聖書』一九一四年版) そしてあらゆる生き物のワンペアをその方舟に積み込みなさい、洪水からあなたのファミリーだけ助けてあげるから、とエホバはノアに言ったわけである。それにしても《暴虐世にみつればなり》……とは、なんとも身につまされる託宣ではないか。 ま、それはいいとして、ちょっとギョッとしたのがノアの方舟をひとひらめくると現れるこちらの図版。 《イギリスで奴隷制度反対運動を主導したクラークソン(1760-1846)の著作で、フランスで出版されたはじめての版です。 巻頭に、船に詰め込まれた奴隷の様子を描いた折込図版が収録されています。この図はもともと、奴隷貿易の実態を宣伝するための刷り物として1789年に刊行されましたが、本の「図版」としてさらに拡散され、そのイメージは広く知られることとなりました。》 映画などではよく目にする奴隷船の船内はこのような図版に基づいていたのである。ノアの方舟のすぐ後だけにインパクトを感じた。 目録と言えば、月の輪書林の最新号も近々刊行されるようだ。どんな仕上がりでしょうかねえ。
by sumus2013
| 2014-11-25 20:49
| 古書日録
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