林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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国語I、国語II

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昨日に続いて教科書。必要あって『国語I』(筑摩書房、一九八一年一一月二〇日)および『国語II』(筑摩書房、一九八二年一一月二〇日)を入手した。比較的新しい(と言っても三十年以上前だ)教科書というのは「日本の古本屋」にはあまり出ないようだ。これらはヤフオクにて落札。持ち主の名前は消されているが、想像するに、出品者が使っていたのだろう。熱心に勉強した痕跡がしっかり残っている(あ、だから古本屋は取り扱わないのかもしれない)。装幀もけっこう斬新だ。装幀者あるいは表紙画の作者について何も記載されていないのは惜しい。

内容に筑摩色が押し出されているのは当然としても、今読んでも十分に面白い。個人的にはこの教科書なら国語が好きになるかもしれないと思う、ということは今時の高校生には向かないかもしれないが。I では臼井吉見、茨木のり子「生まれて」と始まって、中野重治、井伏鱒二、柳宗悦、谷崎潤一郎、島崎藤村、川端康成などを経て宮本常一「梶田富五郎翁を訪ねて」、石垣りん「私の自叙伝」で締める。他に古典と漢文も含まれている。II では岡本かの子「パリの息子へ」が巻頭で、中島敦「山月記」、三木卓、柳田国男、漱石、魯迅、坂口安吾、武満徹、芭蕉、西鶴、梶井基次郎「交尾」、黒沼ユリ子、色川大吉「民衆憲法の創造」まで(以上はざっと拾っただけです、全目次ではありません)。


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これが「山月記」の冒頭。この時代からすでに蛍光ペンが使われていたことが分る。小生の高校時代(一九七〇年代前半)にはまだそれほど普及していなかったように思う。スタビロのサイトによれば、一九七一年にギュンター・シュワンハウサー(Gunter Schwanhausser)がアメリカを訪問した際に学生達が教科書の文章をペンで目立たせていたのを見て、蛍光ペンを思いついたそうだ。当時のアメリカのペンは質が悪かったらしい。ドイツへ帰ってそれを改良、BOSSというシリーズを完成させたとか。

中島敦「山月記」については少しだけ触れたことがある。

昭和八年の中島敦
http://sumus.exblog.jp/20889372/

最近になって『唐宋伝奇集』(今村与志雄訳、岩波文庫、一九九九年十四刷)を読んでいると中島敦が依拠した「人虎伝」の原作「李徴が虎に変身した話ーー李徴」にぶつかったのでテキストに関する解説を少しばかり引用しておく。

《張読[唐代の文学者]。本篇は、『広記』四二七「虎」に、「李徴」と題して収めたものによる。文末に、出所を『宣室志』と記す。刊本『宣室志』には佚す。底本とした点校本『宣室志』には、「輯佚」に収める。
 なお、明代の陸[木咠]など輯『古今説海』「説淵部」に、本篇を唐の李景亮撰「人虎伝」として収めるほか、明、清代その種の叢書には、しばしば、題名を「人虎伝」、作者を唐の李景亮として収める。》《ただ、この人虎伝」と本篇とを比較すると、異同がおびただしく、人虎伝」の誤謬となすべき箇所も少なくないが、文学作品として見るかぎり、見のがせない部分も多い。

筑摩の教科書には『古今説海』の人虎伝」の冒頭部が図版として掲載されているが、解説にもある通りいかにも誤謬が多そうだ。何しろ主人公の名前が「李徴」ではなく「李微」となっている。

《中島敦(一九〇九一九四二)の作品「山月記」は、本篇に素材を求めた名作であるが、彼が、『唐人脱薈』のいわゆる李景亮撰「人虎伝」によっていたことは、本篇及び訳注と読みくらべてみれば、明らかであろう。なかでも、袁傪が「下吏に命じて之を書きとらせた。その時に言ふ。」と書いたあとにあげる七言律詩は、人虎伝」中の詩をそのまま使用している。まさに、中島敦の作家としての技のさえは、「石を点じて金を成す」才筆といってよい。

***

教科書の隣にあるのが届いたばかりの『古本海ねこ古書目録』第八号。今回も図版フルカラーで楽しめる。何か買えるものあるかなあ……。










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by sumus2013 | 2014-11-14 22:20 | 古書日録 | Comments(0)
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