林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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最新大日本地理集成

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角田政治『最新大日本地理集成』(隆文館)、上巻は大正三年八月二十五日、下巻は大正七年九月十二日(十一版)発行。

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角田政治(スミダ・マサジ)、号は黄山。詳しい情報を持たないが、地理関係を中心にして著作は多く、なかに『熊本県誌』(金書堂、一九一七年)や『肥後人名辞書』(肥後地歴叢書刊行会、一九三六年)などの書名があることからしてどうやら肥後出身のようである。

上巻の序文にはこのように言ってある。明治三十九年陽春の頃『大日本地理集成』を上梓したところ、一年もしないうちに十数版を重ねた。ところが明治四十一年、不幸にして版型が溶けてしまうという災難に遭い、絶版となってしまった。しかし求めが多く四十四年の春、改訂版を発行した。これも八、九版を重ねた。しかし地理というのは日に日に変化してゆく。よってここに膨張しつつある我国の国状を反映した第三版を発行する。

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内容は太陽系の説明から入って、地球、日本の位置、構造、山系、地殻、水系、気候、天産物などを説き、地方誌として各県ごと個別にその概要を述べてある。上巻に関東地方から近畿地方まで、下巻に中国、四国、九州、台湾。人文地理として教育、宗教、交通、産業、政治、軍備についての記述も。上下巻とも付録が面白い。上巻は「五十万円以上資産家人名表」と「各港貿易品並輸出入額一覧表」、下巻は「新占領地南洋諸島」と「各種統計表」である。

やはり貧乏人としては「五十万円以上資産家人名表」が気になる(笑)。データの元は三種類示されており、第一表(時事新報社調査)、第二(實業之世界社調査)、第三表(大阪朝日新聞社調査)となっている。数字は大正初めなので現在の一万分の一と仮に考えておいていいかもしれない(?)。

先だって柳原白蓮の夫だった伊藤伝右衛門が話題になったが、この表で福岡県を見てみると、第一表ではトップに(金額表示なし、とにかく五十万円以上)、第二表にはなく第三表では百万円以上として掲載されている。

京都はどうかというと、第一表四十五人、第二六人、第三表十七人の名前がある。むろんそれぞれに重複している人物もあるが、二百万円以上とされているのは辻忠郎兵衛ただ一人。日本一の太物(綿、麻を原料とした織物)商である。第二表の六人だけ紹介しておくと、辻の次が百万円以上で杉本新左衛門(呉服商奈良屋。杉本秀太郎さんのお爺さん?)、飯田新七(高島屋)、西村總左衛門(京友禅の千總)、中江種造(古河鉱業)、柏原孫左衛門(洋紙店)と続く。他にも内貴清兵衛、下村正太郎など呉服商が多数を占めているのは京都ならでは。祇園祭を支えた豪商たちであろう。

うどん県こと讃岐香川県はどうかというと、百万円以上が三人だけ。大西行礼、塩田角治、塩田長左衛門。大西行礼は四国財界の代表者とされた素封家で蔵書家としても知られていたらしい。塩田角治は代々の富豪のようで土地、株券を所有し大正四年には県内多額納税者第一位となっている。

ついでに人口も見てみると、この時点(大正二年末、五年毎の人口調査を修正したもの)で高松市は42,000。香川県全体では719,900。ちなみに京都府は1,193,000、大阪府が2,265,300、東京府が3,194,900。

大高松の人口
http://sumus2013.exblog.jp/21915953/

「新占領地南洋諸島」というのは知らなかったが、こういうことらしい。

《今回の大戦乱により我が海軍が占領したる南洋諸島は、独逸領マリアナ群島、カロリン群島(パラウ諸島をも含む)、マーシャル群島とす。然しマーシャル群島に属するも、ナウル島(南緯〇度三十二分)の如きは赤道以南にあるを以て英吉利之れを占領せり。又赤道以北にありと雖も、カロリン群島に接近しつゝ同群島に属せざる二三の小島嶼は、これ亦英吉利に占領せられたり。

海軍の南洋進出はこんなところから始まっていたのか。


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by sumus2013 | 2014-10-07 19:36 | 古書日録 | Comments(5)
Commented by 牛津 at 2014-10-07 21:03 x
今頃になって『紳士録』に興味が出てきました。納税額が書いてあり、収入から人物像が浮かんでくるからです。その意味で言及されている付録は関心をそそります。
Commented by sumus2013 at 2014-10-07 21:11
牛津さま 日本国を客観的に眺めようとする意志が見えます。日清日露以降に顕著な思想だと思います。紳士録も貴重な史料ですね。
Commented by yf at 2014-10-08 09:33 x
 戦後、まもなく「紳士録」発行所から掲載希望なら、0000円の「誘惑」が来ました。それより怖いのが「興信所」会員の取引先に依頼して「我が社」?の調査票を取ると驚くほど「よく調べて」ありましたが、それ以来、直接「社の内容変更」ありませんかの電話が1年に1回かかるようになりました。
Commented by 柳居子 at 2014-10-08 18:25 x
 100年前の『最新』面白そうですね。
町の活性化に取り組んでいた時、 建築の自主規制に 『町式目』というのを制定しましたが、 若い人が『現代版町式目』と名付けたのを 『平成版』と改める様にしました。 50年 100年先も現代版では可笑しいだろうと言えば 従いました。
Commented by sumus2013 at 2014-10-09 09:34
紳士の皆様コメントありがとうございます。
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