林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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表札など

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石垣りん詩集『表札など』(思潮社、一九六九年五月一日再版、装幀=吉岡実)。いつも珍しい本を探し出して送ってくださるUさんより頂戴した。この詩集、一体どこが珍しいのか? その解説はUさんのメモに任せる。

《同封の一冊、またまた荻窪ささま書店の105円均一棚から得ました。再版で、状態ももう一つの感がありますが、ご覧の通り、正誤表がついていて、旧蔵者?によって該当箇所がエンピツで訂正されています。

「表札など」は初版も持っているのですが、そちらにはこの様な誤植はありません。当時の印刷事情がわかりませんけれど、H氏賞受賞詩集となったので、組み直したということでしょうか(カバーの西暦も、1968から1969に変更されています)。》

たしかに珍しい! 再版で誤植を訂正するというのは何ら不思議でもなんでもない、普通によくあること。しかし、初版にない誤植が再版に現れるとはちょっと妙である。Uさんのご指摘の通り、活字をイチから組み直したときに校正が不十分だったのであろう。ただ、活版時代にはよく言われたが、赤字を入れて再校が出ると、初校で間違っていなかったところが組み直しによって間違うケースがよくあると。とにかくこの本は『誤植読本』ものである。

誤植読本
http://sumus.exblog.jp/20652920/

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「くらし」が「しらく」になって誰も気付かなかったのだろうか。気付かなかったのだ。「みえない父と母…」も罪は重い。「みえない、父と母…」では大違いである。まあしかし誤植とはそうしたもので、本が出来上がって手許に届いたとたん、こういう間違いがいきなり目に飛び込んでくる。あれはどうした理由からだろう。何度も何度も確認したはずなのに……。

詩のタイトルが間違っているくらい屁でもない。というわけでもないけれど、書名が間違っている本だって決して少なくない。著者名だって間違われる(イシワカ・ジュン)。最近「Mさんの日記」(mixi)に足立巻一『宣長と二人の女性』(佃書房)の誤植が話題に登った。一九四三年の初版は『宜長と二人の女性』になっているという。宣長(のりなが)が宜長(ぎちょう)に。これでは別人である。足立の『やちまた』に次のように書かれているらしい(Mさんによる引用の孫引き)。版元の主が、

やや頭に抜ける枯れた声で、「印刷にかかってる。ちょっとした本になるで」といい、わたしを広間に案内した。抜けそうな板張りの床に、まちまちの木机をつらね、本がいっぱいに並べてある。佃はその一つにつれていって、「これや」と指さした。白地に赤と緑との線をかこみ、赤字で書名が刷ってある。かれは「すっきりしとってええやろ」と、笑いかけた。
 が、わたしは内心、大声をあげそうになった。「宣長」が「宜長」になっている。
 しかし、すぐにはそれを告げる気にならなかった。佃が「四六版で二百八十ページになった。初版三千部や」といったとき、はじめて明かした。

再版本の奥付写真もMさんは掲げておられるが、著者名の足立巻一の脇に「あだちかんいち」とルビがふられている。「けんいち」ではないですか。

『表札など』にもどると、この訂正が石垣りんの自筆だったりしたら、これはちょっとしたものなのだけど。スケベエ心を出して石垣りんの筆蹟をネットで探してみた。う〜む……やはり違いますね。




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by sumus2013 | 2014-09-26 19:58 | 古書日録 | Comments(6)
Commented by Uさんです at 2014-09-26 21:21 x
掲載ありがとうございます。
なんともトホホな誤植で、
こういうこともあるんですね。

トホホついでに一点。
メモに「表札まで」と書いてしまいました。
誤りの連鎖でしょうか?
Commented by 小林一郎 at 2014-09-27 00:32 x
おお、懐かしの石垣りん詩集『表札など』ではありませんか。
吉岡実の装丁作品をレヴューした拙サイトでかつて紹介したのも、この「再版」本でした。
手許の一冊には正誤表が付いておらず、かわりに同じ内容の書き込みがしてありました。
筆跡は貴サイトに掲載された写真のそれとは異なるようです。
おそらく、前の所有者が記入したものと思われます。
拙文を読みかえしてみたら、内容には触れていませんでした。
書き込みに恐れをなして言及しなかったものと思われます。呵呵。
最近は拙ページ『吉岡実の本』に追記を施しています。
『表札など』も、林さんのご指摘を踏まえて追記したいと存じます。
なにとぞよろしくお願いいたします。
Commented by sumus2013 at 2014-09-27 08:33
Uさま こちらもついうっかりとそのまま転記してしまいました。失礼しました。いつも有り難うございます!
Commented by sumus2013 at 2014-09-27 08:39
小林さま 装幀は吉岡実でしたか、誤植に目が行って確認していませんでした。いや、なおさら嬉しい。どうぞ何なりとお役立てください。
Commented by Uさんです。 at 2014-09-27 08:58 x
おはようございます。
ささま書店均一棚から引き抜いたときは
105円なので当然、再版と思ったのでしたが
最初に「しらく」の頁を見たので、てっきり、これは初版だ、
『表札など』の初版には誤植アリとナシの二種類あるのか!と
古本者のココロに火がついたのでしたが、
奥付をみて、唖然としました(笑)。
Commented by sumus2013 at 2014-09-27 09:03
Uさま 一喜一憂のお姿が目に浮かぶようです。人ごとじゃないですが。
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