林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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句集風切

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石田波郷『句集風切』現代俳句叢書5(臼井書房、一九四七年二月二五日)。下鴨にて。口笛さんの均一台にこの叢書が何冊か出ていたが、すでに持っているものもあり(どれを持っているか定かに思い出せなかったこともあり)、とにかく石田波郷は持っていないはずだと思ったので買っておいた。『関西の出版100』以降も京都の出版社についてだけは可能な限り蒐集するように努めている。

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石田波郷のあとがきにこう書いてある。

《「風切」は昭和十八年初夏刊行されたもので、十四年八月刊行の「鶴の眼」に続く大体四年間の作句三百余を収録してあったが、今叢書の一として再刊するに当り約五十句を削除した。
 僕が俳句を如何いふものに心得てゐるか、これは昭和十八年一片の令状により戦場に赴かされた頃から若干の虚の時代はあつたが、今日に於ても変つてゐないと言ひ得る。一口に言へば俳句は風雅の道である。僕は戦争の為に死なないで、再びこの道を行くことができるのを喜んでゐる。
   昭和二十一年八月末》

今ただちに初版と比較する手段を持たないけれど「約五十句を削除した」とは、単純に意にそわない作品ということではなく、主に戦争俳句を意味すると理解していいのだろうか。臼井書房版にも戦争俳句はいくつか残されているとは言え、やはり当たり障りのないものが選ばれているようだ。占領下でもあり、いろいろな制約や配慮もあったのかもしれない。戦争を直接詠んだ俳句を目についただけ挙げておく。


 幾刻ぞ朝蜩に軍馬ゆく

 深緑や軍馬の高さ町を抽き

 桐の花爆音山の湯にも飛び

 爆音や桐は花散り赭の殻

 帰還兵列の短かさよ百日紅

 朝寒の市電兵馬と別れたり

 東京の鵙声高き帰還兵

 唇甜めて英霊に礼す冬旱

 年の夜の探照灯の濃かりけり


ご覧の通り戦争俳句とも言えないくらいの作柄である。これら以外の作はほとんど戦争など存在しないかのような描写ばかりであって、波郷二十代後半の作品は老成しているとも言えるだろうし、その分ちょっと冒険が無さ過ぎるのかもしれないと思ったりもした。

こんな値段表がわざとらしく貼付けてあった。これは高過ぎるでしょう、きっと。

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「昭和二十二年九月二十四日/浦之崎にて/No.250」[印章=本田]と書き入れがある。浦之崎は佐賀県伊万里市浦ノ崎であろうか(?)。深読みすれば昭和二十一年に開設された浦之崎病院(現・伊万里松浦病院)に入院していた患者の持ち物だったかもしれない……。というのも小生の父がやはり戦後長らく療養していた時期があり、入院中に俳句を覚えたと語っていたのを思い出すからだ。俳号はたしか一波だったか。どんな俳句を作っていたのかは知らない。遺品のなかにもそれらしきものはなかった。







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by sumus2013 | 2014-08-20 20:47 | 古書日録 | Comments(0)
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