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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


買い取りします

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パリの古本事情、ひとつ書いておこうと思いながら忘れていたことがある。サンミッシェル大通りに面した大手新刊書店GJ(ジベール・ジョセフ)はこれまでにも何度か紹介した。

ジベール・ジョセフ(Gibert Joseph
http://sumus.exblog.jp/17346127/

GJでは新刊と古書(セコハン本)を同じ棚に並べて売っている。その古本をどうやって仕入れているのか、と思ったら、GJビルの北側(上の写真ではブルーテントの右端、隣のビルとの間の道路を左へ入る)に本の買い取り窓口があったのだ。うかつながら、今回初めて知った。

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この写真では向かって右側オレンジ色のシャツの男性が立っている後ろのショーウィンドウの上部に「本を売る方はこちら」と矢印付きで書かれている。店舗は午前十時開店なのだが、買い取り窓口は九時半から開いており、小生が観察したとき(開店の十分ほど前)には何人もの客が買物袋に入れた本を窓口に持ち込むために行列をつくっていた。窓口は三箇所くらいあったように思うが、しばらくは混雑していたのだから繁昌していると言っていいだろう。

また、向かって左、黄色い人物の後ろは「古書籍専門買取窓口および販売所」。要するに専門の古書店と思っていい。流通している本は右側で買い取り、そのまま新刊棚へ並ぶのだろうが、このコーナーは古書店と同じく絶版や稀覯書を主に並べている。量的にはそう沢山並んでいるわけではなく、壁際の書棚、ウィンドウ、平台に必要充分な感じで置かれており、通路が広く見やすい配置だった。

値段も本によってそれなりの評価がなされている。ざっと見た感じでは、普通の古書店よりもやや安めかな、と思ったが、正確なところは分らない。ジョルジュ・ペレックの『眠る男』初版が出ていた。欲しかったのだが、この日は帰国間際で、すでに予算を使い切ってしまっていた。惜しいことをした。次回はまずこの店をチェックしないといけない。




by sumus2013 | 2014-08-19 15:16 | 古書日録 | Comments(6)
Commented by やす at 2014-09-12 04:24 x
前略 二つあるうち右側で査定してもらひ左側で現金を受け取る仕組みのやうです。ちなみに小生の持ち込んだ和本「詩経」2冊は、丁重にお引き取り願はれ、お勧めに従って近所の中国書専門店で20ユーロで売れました。我が著書はそこでも笑ってお引き取り願はれ、ma femme のパリ在住友人に託されることに相成候。以上、パリ初日の空より本日取り急ぎの報告まで(笑)。
Commented by やす at 2014-09-12 04:42 x
P.S.Hans Thomaの画集は見つかりませんでした(ここはフランスですもんね)。
Commented by sumus2013 at 2014-09-12 08:38
ご報告ありがとうございます。そういうシステムでしたか。和本を多く扱っていた書店の名前をサンシュルピスで確認しておけばよかったと反省しています。和本を買い取ってもらうという発想が出なかったものですから。しかし考えてみれば、それはいいアイデアですね。
Commented by sumus2013 at 2014-09-12 08:41
Hans Thoma はやはりドイツですかねえ。ランビュートのポンピドゥー・センターの一階(入場は自由です)にフラマリオンの美術書専門書店があります、美術書の品揃えはたぶんここが一番かと思います。もしまだお時間ありましたら。ご参考まで。
Commented by やす at 2014-09-24 07:31 x
御教示いただいたポンピドゥー・センターにはゆかれませんでしたが、古書市、蚤の市と楽しい経験をさせていただきました(成果をブログにupしました)。ありがたうございました。
Commented by sumus2013 at 2014-09-24 09:25
不十分な情報で申し訳ありませんでした。ジャムは案外と見つかりませんねえ…。本はたくさん刊行しているのに。ハンス・トマはやはりドイツなら容易に入手できるようです。
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