林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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貧乏は幸せのはじまり

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岡崎武志『貧乏は幸せのはじまり』(ちくま文庫、二〇一四年七月一〇日)。単行本のときに読んだはずだが、ほとんど忘れていて、面白く読了した。

あなたより貧乏な人
http://sumus.exblog.jp/12182683/

荻原魚雷氏と古書ますく堂店主・増田啓子さんへの貧乏インタビューが文庫スペシャル。これはどちらも一読の価値がある。魚雷氏はべつに貧乏どころか節約上手の素敵な奥さんみたいな生活だ。ますく堂さんも本のためにすべてを捧げている、最大限自分に忠実なスタイルで。そうすると一見貧乏ふうに見えるかもしれないが、貧乏どころか裕福だと言っても過言ではないだろう。いい話を読ませてもらったという爽やかな読後感が残るインタビューだ。

《魚雷くんは、今でこそ複数の著書を持ち、雑誌や新聞に連載を持つ、売れっ子の書き手だが、二十年前は、私同様、一般社会からあぶれた感じで、さすらうように生きていた。
 その頃に培った、貧乏者としてのライフ・スタイルは確立されていて、功成り名を遂げた今でも、基本的にそのスタイルは維持したまま。一種の芸風とも呼ぶべき完成度で、話をしていて楽しかった。
 次に登場してもらったのが、池袋の路地裏で住居兼店舗の古本屋「ますく堂」を営む増田啓子さん。彼女も私や魚雷君と同じく上京組。「本の雑誌」の別冊「古本の雑誌」でも、インタビューさせてもらったのだが、貧乏をテーマに再度話しを聞くと、まあ出てくる。この五年で買った服は靴下だけ……と、独身女性にあるまじき暴言もいただき、貧乏の奥深さをあらためて思い知ったのだった。》(文庫版あとがき)

ほんとうの貧乏は理不尽なものだと思うが、この本に詰まっているのはまさに幸せのはじまりにあるような楽しいアイデアばかりである。なかで本書で語られる稲垣足穂の生き方は「幸せとは何か」と考えるうえでもっとも深いところに触れているような気がする。

《「金は、そらあったら便利だけど、っていってますけどね。本人が金をもうけてどうしようという気はないんです。金がなくて自分が生きられなかったら、生きなくてもいい、という考え方」だったと、志代夫人は語る。》

《たまに原稿依頼があっても、自分が気に入ったものしか引き受けない。それは原稿料の多い少ないに関係なかった。そのくせ、原稿依頼書に入っている返信用封筒の切手は、水につけて剥がしてまた使っていた。》

《部屋には小さな机が一つあるきり。机の上には、使い古した広辞苑がのっていた。「原稿用紙は、新聞に入ってくる広告のちらしの裏面に墨で罫を引いたもの。鉛筆は、花かつおの付録の『みんなにこにこおべんきょう』式の丸い絵入り鉛筆だった」。その鉛筆も短くなるまで使い、短くなったのは二十本ぐらい、輪ゴムで束ねてあったという。》

要するに断捨離なのだ。断捨離とは自分を捨てるところへ落ち着く、またはそこから始まるもののようである。





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by sumus2013 | 2014-07-11 21:34 | おすすめ本棚 | Comments(2)
Commented by okazaki takeshi at 2014-07-12 16:10 x
林さま、いつもご紹介、恩に着ます。魚雷くん、このインタビューの日、冴えに冴えていました。発言のほとんどが生かせたはずです。ますく堂はすぐ近くに移転し、張り切っています。
Commented by sumus2013 at 2014-07-16 19:59
表紙や口絵の写真もいいですね!
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